ドイツという国はどの国よりも早く化学分野が発達しその中で
合成樹脂の開発も他の国よりも進んだ国です。
それまでの綿や絹や紙などの自然素材による絶縁ではなく
高分子化合物産業により初期のビニール皮膜(合成樹脂)が作られます。
初期の合成樹脂はその後の合成樹脂よりも音がまだ良く、自然素材
には及ばないものの優秀な絶縁皮膜の音質を有しています。
このワイヤーはテレフンケン社のフックアップワイヤーで
主に電子機器等の内部配線として使われていたものです。
タイトルが余りに過激で人種差別的に誤解されそうですが・・・
これは褒め言葉です。
【音質】
万能という言葉は便利でこれまで安易に事ある度に使ってきました。
しかし今回のワイヤーほどその言葉が当て嵌まるケースはありません。
見かけは何て事ないビニール皮膜のスズメッキ単線です。
確かにブランドはあの西独テレフンケンですから多少は
何かあるかもと思いました。
このワイヤーを入手した理由はとても綺麗なブルーの色です。
そして1959年製という事。あと0.3mmという直径に惹かれました。
まずはAUDIO用にチェック。すぐに太さの割に音が太い事に気付きました。
音にガッツがあるのです。細めの優男だと思ったら意外に筋肉質だった。
こんな軽めの裏切られ感がありましたね。
個人的にはシルクやコットンの被覆が好きなので初期ものとは言え
合成樹脂皮膜のものは普通避けます。しかしヨーロッパ特にドイツは
化学が戦争需要も関係してか他の国よりも先に発展しました。
その結果現れたのが合成樹脂です。それまでの樹脂といえば天然ゴム
などを用いた自然樹脂です。合成樹脂(プラスティック)はその後
どんどん発達してその後の私達の生活にとって必要不可欠の存在に
否応なくなってしまいました。何年経っても自然に還らないから
公害の原因にもなっています。初期のビニール(合成樹脂)皮膜は
音が案外いいと気がつくようになって久しいですがPVCに至っては
本当に音質的にはダメダメです。
この初期の綺麗なブルーの色のビニール皮膜に包まれたテレフンケン
のこのワイヤーは高域のキレもいいし、ピアノも太い。ドラムもドスが
効いているとなかなかやるのです。バスドラムもしっかりと表現されます。
超高域はさほど伸びているとは思いませんがそれが故に後半に出てくる
ギターにはそれが功を奏したようです。
クラシックを聴いてもこれが全く問題なくスムーズな音なのに驚かされます。
弦、フルートなどが自然体で鳴ってます。難しいバイオリンの響きも全く問題なくイケてます。
更にROCKやBLUESも聴いたのですがオーティス・ラッシュの声が良かった。
POPS(ジュリア・フォーダム)も聞きましたがこれも素晴らしい。
嫌味のない音で各楽器の分解能やセパレーションが高く、音の切れ、中域の
充実度が高いのです。
ギター用途
レスポールがまず驚きました。私はマイク・ブルームフィールドの弾くLPの音が好きなのですが特にSUPER
SESSIONでのプレイです。このソロが聞きようによってはニャーニャーと聞こえてしまうのですが、そのニャーニャーが単線で初めて出ました。これまではLPのソロがニャーニャー聞こえる事は単線では決して無かったのです。これには驚きました。このソロがニャーニャー聞こえた場合、その音は好ましいのです。クリーントーンも甘くクリーンに広がりいいですね。うんと歪ませた音は本当最高!これ単線っ?って何度も疑ってしまいます。
ストラトではどうか?
仮にLPが良くてもSTが良くなるとは限らないからです。しかし見事に疑惑は晴れてストラトもいいのです。新品のストラトによくある棘のある音がありません。バラからトゲを取ったみたいです。このスゥィートな音が良いのです。本来ならば単線はギターに薦めません。合わないからです。しかし最近、発表した幾つかの単線はこの限りではありません。
今まで「単線はギターに合わない」と口を酸っぱくして説いてきました。だがこの素晴らしい1959年製ドイツワイヤーは、何故か?、テレフンケンだからか?、偶然か?、とにかく単線だけどギターに良かったのです。最初にLPの音を聞いた時ぶっ飛びました。嘘だろ?と正直思いました。そしてSTを聞いて確信に至りました。AUDIOでも確かに悪くありません。悪くないどころか結構いいのです。でも何よりも単線がギターにも使える数少ない希少な体験をさせてもらいました。
品物の外形が角形A4サイズ(31.2cm以内×22.8cm)内で厚さが2.5cm(重さ1Kg)までの物でしたらヤマト運輸のネコポス(無料サービス)が使えます。
運賃は全国一律200円ですがこれは基本サービスで0円です。
時間指定はできませんが追跡が可能です。品物はポスト投函です。おおよそ
1~2日でお手元に届きます。