【117#】ERSIN MULTICORE 【3core】 Silver Solder（1.2mm）10cm = 1.200円

5.0

5pinフォノケーブルのホットに使用しました。ワイヤーは３５＃　シネマティック! GE Cloth Covered 23 AWG。あからさまなフィーリングの変化というよりも深みが上がっているような気がします。ワイヤーの良さを引き立たせているというか。。音のチェックをするレコードにKeely Smith、Helen Merrillのアルバムがあるのですがボーカルのナチュラルな雰囲気が心地良いです。ギターのシールドにも使用してみたいなと思っています。

ヴィンテージハンダとヴィンテージシールドの組み合わせに凝っており、様々なハンダを試して来ました。現代の高級シールド(大体が銀ハンダ使用)も多数所有しており、そちらのキリキリとしたハイファイさも良いがヴィンテージシールド線のミドルの旨味も捨て難い…。そんなジレンマに悩まされていた時にこのハンダを試しました。現行品の銀ハンダでは出ることの無いヴィンテージならではの旨味を多分に含んだ出音で、理想のシールドを作成する事が出来ました！もうこれは手放せないかもしれません。

このハンダは元々何か特殊な用途に用いる為のハンダだと思いますが、気になります。付きやすく、とても使い易かったです。表情が豊かで、忠実、歪みが少ないのか、音量を上げても細かく分解する様でうるさくなりづらく、いたって真面目な印象。同時に購入した同じく銀入の【33#】 ☆黒KESTER Ag2.5%と銀の影響は違う様で、それによって【117#】ERSIN MULTICORE 【3core】 Silver Solderの方は若干腰高な位置からの明瞭な分解を助けている様に思いました。それと立体感を伴って、音が飛び出てくる様な驚きもありました。

商品説明

117# ERSIN MULTICORE

“ 3core ”

Silver Solder（1.2mm）

10cm = 1.200円

エルジンマルチコアの今まで見た事がないタイプの銀入りハンダです。

珍しさで言えばNASSAUの赤ナッソ以上です。

次の入荷があり得ない代物です。

― データ ―

ERSIN MULTICORE

18　s.w.g.

ALLOY T34% L61% Ag5%

3 CORE

ROSIN CORE

AGE 1930～1940年代

直径1.2mm

エルジンマルチコアのビンテージ・ハンダはこれまでかなりの数を見てきましたが今回の物は完全に未知との遭遇でした。まず3コアである事。木製スプールの形状がERSINの中に共通するものを見たことが無い事。そして銀が5%も含まれている事です。錫34％+鉛61%+銀5% =合計100%という内容です。銀の配合と言うか貴金属を混ぜると全く違う音になりますが、その銀の混ぜる量や全体の合金比によって全く異なる音になりますので油断はできません。

テストはHOT側とCOLD（GND）側の両方にこのハンダを使用した結果を記述しています。

まずAUDIO用の結果をレポートします。

A Day In The Life The Beatles Sgt. Pepper's Lonely Hearts Club Band

聴き始めてすぐに気がついた事は・・・何かいいのだ。何が良いかはすぐには言葉が出て来なかったが何かが（複数）良いので聴く事がとても楽チンだった。なるほどこういう良さもあるんだなと感心した

。音味はニュートラルで落ち着いていて派手な所は無い。しかし寡黙でもない。だが、ドラムの音やボーカル、ベース、マラカスなどのいちいちの音が明解かつ鮮明なのに全くわざとらしさが見あたらない。銀が含有しているのはマラカスなどのシャキシャキした音やボーカルの倍音に見付けられる。曲を聴き終わった満足感が甚だ大きく高い。もう少し他の曲を聴くうちに適当な言葉が見つかりそう。

Heads Up　　Dave Weckl　　Heads Up

16ビート乗りの8ビートの曲。この爽やかな分解能の高さと音が複数重なった時の混濁感の無さがこのハンダの特徴だと思う。この分だとジャンルを問わないだろうと感じた。簡単にいうと気持ちの良いハイの切れ味と、それぞれの音の固有の音色をそのまま伝える稀有な才能と言える。一度このハンダの音を聴いてしまうと他のハンダが物足りなく感じるから不思議だ。それにしてもこのハンダ、音のダイレクト感と分解能の高い音の切れ味、音楽の妙味が充分に味わえるではないか。なかなか無いハンダだと思った。実際、このタイプの3CORE ERSINは初めて見た。今後入手できる可能性は限りなく低いので私も大事に使おうと思っている。

Change The World　Eric Clapton　The Clapton Chronicles

このハンダで聴くこの曲は今までと違う。何というかこのハンダの音に比較すると他のハンダは並の能力の物に思えてくる。はっきり言って宝物レベルのハンダかも知れない。この音を例えるなら雨の日にフロント・ガラスが汚れていると視界が悪い。それでワイパーや洗浄液をかけると見違えるように視界が開ける。だがこのハンダの音を聴いてまだその先があった事が体験できた。歪みがとにかく少ないというか・・無いに等しい。歪みが起こす各種フィルターを通して我々は音楽を聴いていたのかと愕然とした。ワイパーをかけて驚くほどに視界が開ける・・・・しかしその先にフロントガラスさえ取り去った音響視界があった事をこの特別なERSIN 3CORE（銀入り）は教えてくれた。嘘だと思うなら実際に音を聴いて確かめて欲しい。私の言っている事が嘘では無い事が分かるはずだ。とにかく鮮やかな視界の良さがこのハンダの大きな才能だ。

I Loved Another Woman 　　Fleetwood Mac　Original Album Classics

左からエコーを飛ばしたLPの音、右からサイドスティックのスネアがカッカッと聴こえるがもうそれだけで満足になり満腹感を覚えた。こんなショボショボした地味で枯れた曲が実はとても意味の深さを持っている事をERSIN 3CORE（銀入り）は教えてくれたのだ。

Double Trouble　　John Williams　ハリーポッターとアズカバンの囚人

いやぁ驚いたの何のって・・今まで聞いてきたハンダの中で最もグレートな音が出てきた。これまで聞いてきた曲も含めこの曲も余計な雑音成分が出ない。それで何が起きるかと言えば音楽を長くいつまでも愛聴できるのである。歪みが多いと長時間の試聴は疲労を招く。その歪みがない! だから音の裸形が眼前にポンと開ける。はっきり言ってヤバい体験ができるハンダだ、余り人には教えたくないハンダだ。このハンダは50年代以前の物だと思うが、こんなハンダがあったとは!　英国恐るべし!

アデル・チェック用（貰った曲なので曲名わからず..）

普段はアデルはリズムが入ってからがうるさく感じるのですが、これにはそれがありません。そして生ギターは録音現場のモニタールーム側で聴いているような錯覚にとらわれます。とにかく微細な音の違いまでを音それぞれで出してくるので楽しくてしょうがありません。

ストラトです。これがですね、、、なかなかのものなのです。何と言うかストラト特有の透明感はありつつも精妙なグラデーションを描く絶妙な倍音成分にがっちり食い込んで出してきます。チョーキングやビブラートをした時の枯れ感もなかなかあります。アルニコ5と2の中間ぐらいのイメージです。

レスポールです。これもいい、アタックがしっかり残ってしかも歪み感の表現が素晴らしくグリーシーなプレイにぴったりです。歪はOver Driveぐらいがいい感じです。ただ甘めの音と言うよりもスモーキー&ブライトな感じなので激甘トロトロが良い人は別のハンダを選びましょう。

まとめ

ある程度ハンダの音を聞き込んできた人を未知の衝撃が襲います。私はイギリスという国の多方面の善悪的な意味も含めた功罪を感じる時こういうハンダもイギリス（ERSINですが）は作れるんだなと感心してしまうのです。ただこのハンダ余りに音が良いのでオーディオ用途に自分でも確保しておきたいので全体の半分程の量を皆様にお分け致します。