【132#】頼り甲斐のある
ALPHA 黒 撚線(0.19x7φmm)
50cm = 450円
☆本商品は60年代の米アルファ社、
0.19x7本の錫メッキ撚線です。
絶縁被覆は黒色のビニール系です。
スプール上のデータ
ALPHA WIRE
ALPHA WIRE CORPORATION
MUNUFACTURE OF WIRE CABLE & TUBING FOR ELECTRONICS
MADE IN U.S.A.
年代は1960年代
絶縁部含む直径は1.15mm
芯線全体の直径は約0.4mm
アメリカのワイヤーの中でもALPHAはBELDENと並んで種類も多く全てを把握できないほどです。だから、たまに掘り出し物も紛れ込んでいたりしますので注意が必要です。非常に優秀な製品を作るメーカーでミリタリーグレードと言われています。私が過去に入手したALPHAのワイヤーの中で最も古い年代のものは1920代頃のもので今聴いてもハイエンドな音がします。市場に出ているALPHAは概ね1950~1970年代のものが多いです。使用用途も種類も色々あり全容を知るのは困難です。
がしかしストラト用に最適なワイヤー(76# ALPHA 1461【ストラト用配線】 20AWG☆1m 1,000円)があったりもするので常に気になるメーカーなのです。ちなみにハンダも多数作っております。さてそんな中、今回出品のALPHAは比較的細めの撚線で、22AWGだと0.25x7の構成が多い中、本品は0.19x7本の構成です。芯線が細いものは大味にならずに非常に細かい音まで良く拾います。そんな訳で期待が持てますね。
テストはHOT側とCOLD(GND)側の両方にこの線を使用した結果を述べます。
まずAUDIO用の結果をレポートします。
Heads Up Dave Weckl Heads Up
まずエージングも兼ねてフュージョンで慣らしていきます。一音目を聴いた瞬間、このワイヤーが齎す音圧感とリアリズムに圧倒されました。その瞬間にキャッチフレーズの「頼り甲斐のある図太い音」が頭に浮かんでしまったのです。図太い音というのは潰しが効きますから色々とやりやすいのですよ。例えばGND線にこれを使った場合はHOT側との相乗効果にもよりますが概ね、音の太さが最初から保証されます。音の圧という物は本当に重要でリアリズムを感じる大きな要素です。ドラム(Dave Weckl)の音なんかもう申し分ないです。音の切れ味はシャープでかつ音に圧力があるのです。音の座りというものはまず低音の量感がある事と音に音圧感があるかで決まってきますから正にこのALPHAのワイヤーは相当に肝が据わった音と言えます。
Feels Good マイク・ヒックス This Is Life
エージングついでにもう一曲パワフルな曲を。まずバスドラムの音だ。バスドラムについて私が熱くなるのはドラマーだった時代があるからだ。兄のお古が最初のMY DRUMだ。在る日兄から思いがけず「俺のドラムセットお前にやるよ」と言われ夢のような心地になった。それは中学1年の時だ。
以来毎日、ドラムの椅子に長時間腰掛けて私はドラム・ワールドの虜になった。昔、池袋駅北口にモリタ楽器という店があって何とドラム専門店だった。私は池袋にある学校に通っていたので学校の帰りにモリタ楽器に殆ど毎日通った。その当時の私の頭の中は殆どがドラムの事が占めていて、如何に良い音が出せるかを常に試行錯誤していた。モリタ楽器には憧れのRogersの60年代3点セット(色はピンクシャンペーン)が通りから見えるウインドウの中に飾ってあり輝いて見えた。
中学生だから買えるわけもないのだが、そもそも売り物ではないらしい。このような事は昨今のエレキ・ブームの中でも良くあり、ビンテージ・ギターSHOPのオーナーになるような人はまず自分が良い楽器が欲しいのでそれを探し出すために始めるようなもんだと店主が私に語っていた。なるほどね、そんな私も数十年前にドラム・マガジンに何回か広告を出したがVINTAGE DRUMの店を自宅にオープンしたのでその意味は良くわかる。
良い音を探すというのは中学生の頃からの私の習性のようなものだった。話を戻すとマイク・ヒックスのバスドラムの音は音圧感があり空気の圧力が伝わってくるのだがこのALPHA、いいのである。音圧があるからだ、こういう事は楽器をやってないとわからない事だ。マイク・ヒックスは多分、スタジオに篭って宅録風にこのアルパムを作ったのだろうがなかなかの出来だ。
多くの楽器を自分が演っている可能性もある。録音技術に彼は優れていた為、仮に生音はしょぼいバスドラであってもイコライザーで音を加工しているに違いない。いい音なのだ。バスドラだけではないドーンと出てくるフロア・タムのゴムで出来ているかのような弾力感と厚みのあるサスティーンが極上のものだが、それら全てをこのALPHAは完璧に再現している。
A Day In The Life The Beatles Sgt. Pepper's Lonely Hearts Club Band
音圧が出るワイヤーなのでビートルズのこの曲も聴いてみた。案の定素晴らしいドラムサウンドが堪能できる。ジョンの歌も良いのだがドラムの音が更に気になってしまう曲だ。リンゴ・スターはLUDWIGの60年代セットを使っていたが、とにかくLUDWIGはタムやフロアタム、そしてバスドラの音がラディックでしか出せない音を出してくる。このLUDWIGのセットも先に出てきたRogers同様、ドラム屋時代に色々蒐集した。高校生の時にNHKの「若い広場」というラジオ番組にバンドで出演したのだが、その時のリハではNHKの内部にあったかなり天井の高いリハーサル室に置いてあった本革張りのLudwigを叩く事ができたがその音の良さに痺れた。そのラディックである正にROCKのドラムの王道なのだ。この曲で叩いているドラマーが実はリンゴではないという黒い噂があったが、よく聴いてみるとリンゴ・スターがここまで上手かったのか!! と当時は驚愕していたのだが、どうやら別のセッション・ドラマーが叩いているというのは本当の話のようだ。調べてみるとバーナード・バーディが専門誌のインタビューの中で「実はビートルズの21曲は僕が叩いているんだ」との爆弾発言をしているそうです。私の耳で聴いてみてもA Day in THE Lifeでのドラムはその豊かなグルーブといいドラムのセンスといい当時のリンゴには叩けない境地のものだと思うのでどうやらそれは真実のようです。
ちなみに代わりに叩いたと見られるバーナード・バーディのドラマーとしての経歴は以下の通りです。
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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』より
バーナード・パーディ Bernard Purdie | |
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バーナード・パーディ(Bernard Purdie、1939年6月11日 - )は、アメリカのドラマーである。セッション・ドラマーとして、ソウル、R&Bを中心に多数のレコーディングに参加した。
略歴
メリーランド州エルクトン生まれ。高校卒業後にニューヨークへ移り、セッション・ドラマーとして活動を始める。キング・カーティスのドラマーを務めて名を上げ、1970年からはアレサ・フランクリンのバックバンドのバンマスを務めた。その後もソウル、R&B、ロック、ジャズ、クロスオーバーと幅広いジャンルで活躍した。彼は、ジェームス・ブラウンの曲「エイント・ザット・ア・グルーブ」や「イッツ・ア・マンズ・マンズ・マンズ・ワールド」(1966)でもプレイしている[1]。
プレイ・スタイルとしては、グルーヴ感のあるシャッフルも特徴で、1990年代以降は、1960年代、70年代のブラック・ミュージックが再評価され、重要なドラマーの一人となった。ヒップホップにおいて彼がプレイした曲は、サンプリングの元ネタとして使用された。
バーナード・パーディ(2020年)
基本情報
出生名 Bernard Lee Purdie
別名 Bernard "Pretty" Purdie
Mississippi Bigfoot
生誕 1939年6月11日(84歳)
出身地 アメリカ合衆国 メリーランド州エルクトン
ジャンル ロック、R&B、ファンク、ソウル
職業 ミュージシャン
担当楽器 ドラム、パーカッション
活動期間 1958年 -
レーベル
A&Mレコード、アトコ・レコード、EMIレコード、キャピトル・レコード
共同作業者
ジェフ・ベック、ハミングバード、スティーリー・ダン、アレサ・フランクリン、ギル・スコット=ヘロン、キング・カーティス、ジョニー・ペイト、シャーリー・スコット、ディジー・ガレスピー、ランディ・ブレッカー、クインシー・ジョーンズ、ジェームス・ブラウン、アイザック・ヘイズ、ハーレム・リバー・ドライブ、ヘアー、ラリー・コリエル
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Okan Bale Angélique Kidjo Black Ivory Soul
この曲でもサイズを超えた迫力を全体から感じる。低域の太さを保ったまま中域は骨格が・・と言うか骨が太いのだ、これはGND用に使用した場合全体の音の太さに貢献してくれる。ややシャリついた感じもあるがそれも悪くない。音の明確さとは倍音と基音のバランスで倍音域がしっかりと出てくれると助かる訳でこのALPHA黒倍音域(それも超高域帯域ではなく普通の10Khz近辺)がしっかり表現されるので例え音量を落としても音の明確さは残るのが有難い。ややアメリカ的なラフ感もあるが、これは音楽によってはプラスに働くのである。帯域を横から眺めると低域は最低域はそれほどでもなくその上の普通に低域と呼ばれている帯域がサイズ感よりは分厚く安定している。繰り返しになるがGND側導体として使って低域が薄くなるのを回避してくれる。
Black Magic Woman Fleetwood Mac English Rose
その時代のフレーバーが漂ってくる。ワイヤーで困るのはどの時代の音楽をかけても新しめの音になってしまう事だ。我々が古い音楽ソースを聴こうとする時、無意識でその時代ごとのサウンドやトーンを再現して欲しいと暗に思っているのだ。その点このワイヤーは素晴らしい! ちゃんとその時代のTONEを我々に提供してくれるからだ。ラジオが優勢な頃の1920~1960年代の音楽を当時の記憶音色で再現してくれる。この当時のFleetwood Macなので一種独特な音がするのだが、その独特なしにこの音楽は聴けない。繰り返すが古い音が新しくなっては困るのだ。ハイエンドオーディオの店に行ってROCKをかけてもらうと失望するのはこんな理由からだ。ただ幾ら古い音でもレンジが狭くボソボソと壁の向こうで聴こえているような音では困る、オーディオは匙加減が大事である。このALPHAならばその辺りの心配は無用だ。
Corryvreckan Igor Prochazka Trio Easy Route
ではピアノトリオはどうか?、太いのであるウッドベースが、タイコが、ピアノの中域もだ。この音の太さはリアリティに直接関係してくるので外せない要素だ、0.19x7本という構成から何故こんな太い音が出てくるのかわからないが。今思いついたのだがこのワイヤー”ドキュメンタリータッチが素晴らしい!”と言える。ドキュメンタリータッチとは現場感である、これはスタジオ録音でも同じ事が言える。その音がその音らしく聞こえて欲しいと言うのは常なる願いなのでこの音は歓迎できる。オーディオを長くやって音の重箱の隅を覗いてばかりいると、この本質的な事が見えなくなってしまう。そのような方はこのワイヤーで其れを取り戻してもらいたい。
Orbiting Mats Eilertsen Trio Sails Set
しかしながら「オーディオ的にはどうなの?」と誰かに言われている気がするのでこの曲も仕方なく聴いてみる。ケロッグのAUDIO的分解能を100とすればこれは70台から良くても70後半というところだ。だがこれで悄気てはいけない。代わりのものを得られるからだ。この曲はいつも音の重箱の隅を気にしてばかりいるので私は全体を見る事が出来ないでいた。それがどうだこのALPHAだと違うのである。音のアタックが鋭い(中域を核とした)所もあるので何か別の曲に聴こえてくる節もある。全体を見るというよりは曲の中に自分が丸ごと入魂してしまうような感覚だ。
The Day Begins The Moody Blues Days Of Future Passed
この曲は何故か不安を煽るような音が徐々に迫って来てピークに達するとオーケストラが一気に全開して演奏開始すると言った奇妙な構成だが、いいのである。素晴らしく感動的な曲と演奏だ。”一日の始まり”と曲名にあるが正にそんな感じである。だが(誰がスコアを書いたか知らないが)この曲、名曲である。この曲を聴いていると何故か日本の昔の情景すら浮かんでくる。映画で言えば「砂の器」で親子が迫害されながらも田園風景の中を何処に行くともわからず歩いている画面が浮かんでくる。我々がクラシック・コンサートに行ったら是非とも演奏してほしいほどの名曲だ。中盤からナレーションが入るのが説明臭いがそこがコンセプト・アルバムという事なのかも知れない。こういう音が60年代のROCK BANDのレコードから聞こえてくる事自体がとても珍しいというか他に例が無い。是非皆さんにも其れを味わっていただきたい。素晴らしい!
Lumos! (Hedwig's Theme) John Williams ハリーポッターとアズカバンの囚人
オーケストラついでに最後にジョン・ウィリアムズも聴いてみようじゃないか。この音の出だしを聞けば誰でもがあの有名なメロディとわかる。しかしまぁこのALPHA、オーケストラが秀逸にいいのだ。そうかこのワイヤーの個性はドキュメンタリータッチなのだからオーケストラの音もそのまんまこちらに届くわけか・・・わからないがそんな感じだ。
レスポールでの内部配線に使った場合、これが全く問題なく使えます。音の粘り食い付きが良いのでしつこいプレイが好きな人に向く。この音の粘りは【69#】粘るGARDINER SOLDER に似た雰囲気を持つほどだ。この音が好きな人は多いだろうから大歓迎である。119#☆エレキギター& AUDIO用GND配線材 BRAND REX (白)をレスポールのGND材に頼って来た人にとって新たな選択肢が現れた事になる。多分、音の太さはこっち(ALPHA)が上だと思う。LPのクリートーン(あんまり歪ませない音)の場合、ピックが弦に当たる瞬間のアタックがちゃんと出て、しかも余韻が案外甘い音なので
一挙に二つの味わいが得られる。そして歪ませた場合は当然良くこれまでのLP専用と銘打ったワイヤー達と肩を並べる。チョーキングした時の”泣き”の音が素晴らしくついついチョーキングしたくなる。
ストラトの内部配線材に使った場合、全く過不足なくストラトの音が出る。だがどうだろう、適性としてはLPの方が上かも知れない。だがこのストラトの音もなかなかのものである。特にチョーキングした時の音の切なさがたまらない。やはりチョーキングは切ない男の感情が奔り出たものだからだ。見ればわかるがチョーキングをしている時のギタリストは皆、絶頂に達したような顔付きをしている。ストラトでチョーキングを多用したい人に是非使っていただきたいALPHAなのだ。
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まとめ
このALPHA最初のうちは掴み所が無かった。だが聞き続けるうちにこのワイヤーの稀有な才能が見えてきた。その一つが音の太さであり、更に一つがドキュメンタリータッチである事だ。オーディオ的に聞くようなワイヤーではなく音楽の中に足の先から頭まですっぽり入りたい人に向いている。特にオーケストラ全般に良く迷ったらこれを聞く事をお勧めする。今回はHOT/GND両方に使ったので、GND側にこれを使ってHOT側に何かを組み合わせるケースとは当然違う結果が出るだろうがGND側としてダークホースな存在なのかも知れない。私ならばGND側にコレを使ったらHOT側には0.25~0.13mm程度の最適なワイヤーを探すと思う、以上がオーディオでの話。
一方ギターでは何よりもチョーキングをしたいギタリストに向いている。ちょっと脱線するが成毛滋というギタリストが居た、彼は日本にイギリスからチョーキングというものを輸入した張本人だ。またHIWATTのギターアンプのアンプ部をイギリスから日本に向かう長時間の飛行機の中、膝の上にそれをずっと置いていた猛者でもある。彼は初期のグレコのギター教則本も書いた、グレコのギターを買うと付いてくるやつだ。面白い話がある、成毛さんはツェッペリンとか見てレスポールを抱えるジミー・ペイジなどを観察した訳だがその際にギターの裏側は当然見えなかった。彼はグレコで成毛滋モデルのLPモデルを出す時に裏側も当然サンバーストだろうと普通に推測していたので、そのギターの裏側は表面と同じサンバースト仕上げにしたのだ。だがそれは間違いだった事を我々は後で知ることになる。そうLPの実際の裏側はホンジュラス・マホガニーに濃い目のニスで仕上げたもの。LPのトップのメイプル材はマホガニーの上に貼り合わせた構造になっている。この事はのちに吉祥寺にあるVINTAGE GUITAR’sの高野さんから聞いた。高野さんは成毛さんの後に総監修の役に就いた人だ。そしてLPのスーパーリアル・シリーズが生まれる事になる。・・といつものように脱線したがチョーキングというのはロックギターの証であると声を大にして言いたかったのだ。でこのALPHA、チョーキングにいいのよ。
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