表題の通りこのハンダは実は隠されていたハンダなのです。隠していたのは私、その余りの音の良さに自己使用のみにしようと決心したのが数年前、以来、隠蔽されていたのです。しかしここに来て気が変わりやはり皆様にもお分けしようと決心しました。
さてKESTERは種類も多く最も世界的に有名なハンダ・メーカーですが何しろ種類が多く私も全てを把握している訳ではありません。しかしまぁ相当な数のKESTERを扱ってきたのである程度の事は言えます。
このKESTER VIRGIN METAL SOLDERは稀有な音質を持ち、そのレベルはKESTERハンダの最高峰と言っても構わないでしょう。HIFI用途にもギター用途にもどちらにも行けます。溶けやすく付きやすい作業性能を持ちます。
チェックしてみました。結論から先に言うと最高でした!! 何が最高かと言うとまず音質の良さです。この年代のハンダで現在のHI-ENDでも通用するハンダは僅かですが、トップランクに入る音質です。以下に具体的に述べます。
まずオーディオです。
これがもう気持ちいい音質とはこれか!と膝を打つような音で爽快でありいい音を凝縮したような音です。例えばクラプトン「クロニクルズ」などを聴いてみると全くもってご機嫌なサウンドです。まず分解能が今日的なハイエンド領域まで伸びていて透明感、音の見通しに優れます。寒色系ではなくやや暖色系な音で冷たさはありません。ベースなどは良く弾みバスドラは音圧感を持って迫ります。これは実にアメリカ的に成功した音色だなと直感しました。例えばERSINなんかは英国の最高峰なのですがやはりヨーロッパの音でKESTERに比較するとやや寒色系にシフトします。やはりアメリカ物の良さは明るさ、温かさ、伸び伸びした広がりが良い所です。このハンダにはその要素が全て含まれています。ハイエンド・オーディオ機器の内部ハンダには最高かと思いました。
次がギター配線用ですが最初にレスポール系です。これが良かった。オーディオでは良くてもギターにはダメなハンダは星の数ほどあります。つまり不要な高周波帯域まで出るとギターでは喧しいのです。ここが難しい所でHIFI傾向なナッソなどでもギターには合わない物もあります。しかしこのVIRGIN
METAL SOLDERの場合、ギター用途にもバッチリなのです。これはいいですよ。使いやすいからね。何にでも使えるハンダで音が最高!
という印象です。LP特有の甘く咽び泣くようなチョーキングが素晴らしくそれでいて全く耳に痛くないのです。甘い粘りのような音が良く表現されます。艶もありますがピカピカはしていません黒光り的な凄みがあります。LPのクリーン・トーンではとても美しい音です。透明感溢れる魅力的な音はストラトのソレとはまた別の世界です。歴代のギター向きKESTERと立ち並ぶ素晴らしい音質を持ちます。歪ませて行くとまた表情が変わり一気にブースト感の気持ち良い所が前面に出てきます。本当に気持ちの良い歪みが得られます。LPマニアが涙する音ですね。
次はストラト系ですね、これはちょっと聴きではLPよりも合わないかなと感じましたが聴きこむに連れてドンドン良くなってきました。ギターに合うハンダは不要な高周波は抑え気味で、なおかつギターの倍音が美しく表現されないと困ります。LPには良くてもSTにダメなハンダはSTの倍音領域が高周波帯にLPよりも接近していますので微妙な匙加減となります。ストラトではちゃんとストラト独自のエッジ感が出てご機嫌な音です。特にサスティーンさせた音が秀逸!!
使用感としては、すぐ溶け付きやすいのでストレスがありません。
ROSINコアなのでペーストの必要はありません。