【145#】ROLA MAGNET WIRE　

激レア☆  50cm = 500円

MADE IN Australia

☆本商品は　ROLAのワイヤーです。

ROLA MAGNET WIRE

MADE IN AUSTRALIA

年代は1940年代から1960年代

直径は0.2mm

まずこのROLA、オーストラリア製です。そこがまず異色な点です。アメリカやイギリス、ドイツぐらいまではある程度予測できますがその他の地域のワイヤーなどはデータがありませんので未知の世界なのです。

テストはHOT側とCOLD（GND）側の両方にこの線を使用した結果を述べます。

まずAUDIO用の結果をレポートします。

Olofoofo　　Angélique Kidjo　　Black Ivory Soul

アンジェリーナ・キジョはアフリカ系ミュージシャンだ。そのせいかこの曲はアフリカの風景が眼前に見えてくる。この曲ではトライアングルの音を聴く。それが透き通って、余韻が最後まで他の音に邪魔されずに聴こえるかが肝だ。結果は全く問題なく透き通った余韻が消え入るまでが良く表現される。

それと期待通り歌がいい。色気が付くとか艶やかになるとかではなく元の音をそのまま伝えてくるような真面目さがある。だが真面目と言ってもそれはオーストラリアの大自然のような懐の深さを感じさせてくれるような真っ当な音なのだ。このワイヤーは分解能がエージングが進むと共に上がっていきその速度は早い。一曲目の後半には滑らかになり解像度が上がって分解能が向上した。

928　　Michael Beck Trio　　Michael Beck Trio

分解能の良さを更に探るべくこの曲を聴く。案の定、冒頭のシンバルワークが美しい。スネアが入った瞬間の瞬発力は相当なもので只者ではない力を感じる。タムも本物っぽい音がする。

つまりバルシヴな音に対しての反応が早いのだ。だが高域を意図的に誇張したような音ではない、素肌美人なのだ。元々が美人な人なのだこのワイヤー。化粧や整形で仕上がったものではない素の音の美しさがこのROLAで味わえた。

Double Trouble　　John Williams　　ハリーポッターとアズカバンの囚人

なかなか再現の難しい曲なのだがこのROLAは難なくあっさりとそのままの音を提示してきた。ここでもバックにタンバリン系の音が僅かに入っているのだが、やわなワイヤーだと周囲の騒々しさの中でその音が良く聞こえない。

しかしどうだROLAはこの曲でも全く問題のない美しく清廉な音を聴かしてくれた。ボーイソプラノもうまく再生するのは普通難儀な事なのだが、それも何気なくちゃんと再現する。むむーっ、やるなお主!

Black Magic Woman (Album Version)　　Fleetwood Mac　　Original Album Classics

サンタナで皆に知られる事になったお馴染みの「ブラックマジックウーマン」の原曲だ。この時期のフリートウッドマックは完全にブルースバンドだった。当時のピーター・グリーンのレスポール・サウンドは神がかっていて英国の若者達から” 緑神”と崇拝されていた。

これは同じ頃エリック・クラプトンも神と称されていたので二人は対になってリスペクトされていたのだ。個人的にはピーターの方が明らかにエリックよりも上手かった。つまり正統派の黒人BLUESをベースとしてならと言う意味だ。

エリックはROCKの方に行ってしまったのでそれはそれで二人の行き道の違いという事になるのだろう。この時期のピーターグリーンはまるで初期のBB・KINGを彷彿させる、渋い時期のBBだ。一方エリックはクリームを結成しROCKとBLUESを融合させたような音楽を演っていた。そして現在エリックはBB・KINGに戻っている。ただやはりこの頃のピーターの方がギターは上手だ。何と言うか味が深い。・・とまぁこの曲をタラーっと聴きながら思ってしまった。

A Day In The Life　　The Beatles　　Sgt. Pepper's Lonely Hearts Club Band

力強く繊細なサウンドだ。案外このローラ、パワフルにも感じる。ドラムの分厚さなど到底0.2ミリの細さとは思えない音がする。そしてリミッターがかかっているソース（この曲では主にドラムに）はバッチリだ。なんかいつもよりリミッターの深度が深いような気さえする。だがこのワイヤーはそのようなエフェクティブな魅力よりももっと王道で勝負できるような音を持っている。

サウンド全体としては周波数をいじったような所はなくフラットに聴こえるがそれが既にROLAの術中に嵌っているのかもしれない。つまりROLAは見えないところで仕掛けているのだ、一見そうとは思えないようなやり方でこの効果を出している。だからと言って策士なんかではなく真面目で色気を持つ奴なのだ。こういう音は他の国の物とは相当に違うと言える。

Tee Funk　　Dave Weckl　　Heads Up

リズムがパワフルに決まるかをこの曲で試す。聴いてみた、驚いた! この細さで何と言う力感を出すのだ?! と思った。バスドラは瞬発力と空気圧が感じられる物で私がこの曲に求めたい願望をROLAは叶えてくれた。この音の肉厚感、パワフルさは異例のものだ。そして歪みが低いので長時間の使用でも耳が疲労しない。この曲、これまで聞いた中で最高でした!

Cause We've Ended As Lovers　 Jeff Beck  Blow By Blow

ジェフ・ベックのギターによる愛のバラードだ。ジェフ・ベックのステージは見た事があるが実際に見るととんでもなくギターが上手だ。特に一つのギターから様々な色彩や感情表現を出すあたりは当代随一と言って構わないだろう。この曲の段階でも既に神がかっているが私が見た日本のステージでは更にその上を行っていた。

特にギターの指板の中央付近からフレーズ的に高域に駆け上がりそのままシームレスにボトルネック奏法に繋がるあたりは神業だと思った。ジェフはジミ・ヘンドリックスに会った時に完敗を認めた訳だがその後の人生でひたすら彼なりの努力を人知れず続けた事により今日を得た。試聴結果に戻るとまずジェフのギターの音が実にいい。ドラムの音も物凄くリアルでここまで出れば大したものだ。エレピの切れもいいね。正に言うことのない音だ。

ストラトの内部配線に使った場合、クリアーさと絶妙な倍音が混じり合った良い音がする。クリーントーンではその立ち上がりの良いトランジェントの良さが冴え渡る。こうなると私はギターには撚り線が良いとほざいて来たが考え方を改める時が来たようだ。0.2mmと言えば7本撚りのAWG22の一本あたりの細さだが音量的にも全く問題ない。まぁ冗談のつもりでストラトで試してみてください。予想を覆す音が出ますから。

レスポールの内部配線に使った場合、これも実に不思議な事だが0.2mmと言う細さからは想像できない立派な音が出る。粘りも結構あってニャーニャー音もしっかり出る。【93#】オイオイ、LPにもSTにも合うソビエトワイヤーってあったっけ? 　1m 990円もギターに合う数少ない単線だったが、それとタメを張れる音と感じた。ソビエトとオーストラリアだが国の違いを超えてこの二つは単線なのにギターに使用できるワイヤーなのだ。

このワイヤーに換装してずっと弾き続ければわかる事だがこの単線の音の方が撚り線よりもギター本来の音ではないかと言うことだ。やはり撚り線は音が濁るのである、それがわかった。ストラトやLPの素の音は実は濁っていないのだ。PUリード線や内部配線材により音質劣化しているのが実態なのだが余りにも皆がその濁った音をスタンダードとしているので、その音が本物だと思ってしまう。そんな事をこのROLAで考えさせられた。やはりオーストラリア製のワイヤーは一味も二味も違った。

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まとめ 

実はそれほど期待していた訳では無かった。このワイヤー、だが試聴が進むにつれて只者ではない片鱗が見えてきて、その傾向は時間が経つほどにはっきりとして来た。そう只者ではないのだ! だが余りにも量が少ない、同じタイプのROLAは持っていないのでこれ一つで終了。なんか悔しいけど仕方ない。気になる方は是非!

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