【149#】 BIRNBACHのスプールに巻かれた 正体不明なハンダ　20cm = 590円

【149#】 

BIRNBACHのスプールに

巻かれた

正体不明なハンダ　

20cm = 590円

☆本商品は見ての通りBIRNBACHのスプールに巻かれた

正体不明の謎のハンダです。ちなみにBIRNBACHはワイヤーのメーカーでハンダは作っておりません。しかし・・・こう言うのは本当に困るのです。商品説明が音の事だけしか書けないからです。しかし見方を変えると、仮にこのハンダの音が良かった場合、喜びと幸運が舞い込んで来ます。二度と入手できないハンダなので「このハンダの音が良かった場合」入手した方と秘密の喜びの共有が出来るからです。これ音を聴く前に書いてます。ちなみにハンダはROSIN COREで外部ペーストは不要です。低い温度でも良く溶けハンダの馴染もとても良いです。

多分アメリカ製

TYPE  ROSIN CORE

SIZE 1.4φmm

年代不明

テストはHOT側とCOLD（GND）側の両方にこのハンダを使用した結果を述べます。

今回は一番最初にレスポールの内部ハンダとしての結果をレポートします。なんか良さそうな予感があったからです。聴いてびっくり! 何この音のSWEETさは! ある意味この音は私がまず最初にLPに求めるトロトロに熟したスープのような音です。結局のところレスポール・モデルというギターに多くの人が求めるのはこのような音なのです。ビンテージなギターと新品のギター、一体何が違うと思いますか? それは音の熟した加減と枯れ加減なのではないでしょうか?これどっちか一つですと足りません。

LPの場合盛大にニャーニャー音が出ないとダメです。そして適度な枯れ感も必要でそれはビンテージ・レスポールの一つの証です。更に最も重要な要素は音の粘りと蕩け具合です。今回のこのハンダの音はグレーサーやスペシフィケーションの良さを持ちつつも独自の個性も持ちます。それは音の耳障りな角が取れる事です。新品のギターの音で最も困るのがこれです。うるさい事、、、、これは本当に困ります。このハンダはトロトロに溶けたスープのような味わいがあり適度に枯れ感があり粘りと艶があります。そして全く耳当たりが良くそういう意味では一番かも知れません。

クリーントーンにしても立ち上がりの良さはそのままに耳に全く痛くない素晴らしい音がします。その昔KESTERの「大トロ大王」と名付けた30年代のハンダがありましたがトロ味具合が良く似ています。ただ面白いのはこのハンダそれだけではない、何というか何気ないフレーズやコード弾きでも色気ある音になっちゃいます。ここまで聴いてきて私はこのハンダの音、断然好きになっちゃいました。何て言うんでしょ病み付きになりますねこの音、常習性があるというか（笑）。

ストラトでも驚きました。ある意味スぺシフィケーションを超えています。枯れ感の度合いはほぼ一緒ですが、粘りと色気が違います。それと一種の癖が音に纏いつきますが、これが他には無い良さで単にある種の歪みが加わったような・・・と言うだけではなくいつもの音が変化を起こします。その変化はまぁ一言で言うとかっこいい音と言えます。ストラトなのでLPよりもアタックは早めに出ますが、その瞬発力はそのままに音の嫌な角だけが取れてしまいます。ストラトの新品も音のうるささが問題なのでこのハンダはかなりその問題を解決します。

既にギター用として完璧に適合した為オーディオは別にやらなくてもいいんじゃない?と思いましたが一応、一応やります。

A Day In The Life　　The Beatles　　Sgt. Pepper's Lonely Hearts Club Band 

不思議な感じです。別にハイファイ感があるわけでも無いのにいやに耳に残る音なのです。こう言うのを音楽的と書くのは簡単ですが、それは逃げのようなもんです。なので具体的に書くとまずスネア、ベース、タムタムなどに深いコンプ感がかかります。低域端や高域に特に変化はありません。分析的になり過ぎることもなく、ただ音楽がそれっぽく漂い迫ってきます。音楽的と言うだけには終わらない不思議な音の魅力があります。ただどうなんでしょう?こういう音の変化を人はどう思うんでしょう?　他人の事はわかりませんが中には私のようにこのハンダの他ならぬ特徴に歓喜する奇特な方もいるかも知れません。

I Want To Be Loved　　Cassandra Wilson　　Thunderbird

驚いた! 何と言うリミッターサウンドなのだっ! 無論ソースにもリミッターがかかっているのだが、このハンダにするとそのリミッター効果が顕著になる。非常に迫力のあるディープなリミッターサウンドでつい頬が緩んでしまう。実にかっちょえー音になる。しかもVCAタイプではなくバリミュー管やオプティカル・コンプのような深さのある音だ。なんでハンダでコンプがかかるのか意味不明だが我々は結果を享受すればいいだけだ。理屈は必要ない。まるで魔法のようなハンダだ。

So Much More　　Beth Orton　Central Reservation

独特な音だ。いつものベス・オートンではない。前曲同様激しいコンプがかかるリミッターサウンドで深海をゆっくり泳ぐ大きな魚のような気分になる。この音を言葉で説明できない。とにかく変わってしまう、音楽の意味すらも別の解釈のようになり別の側面が見えてくる。それがとても心地良い。

Tchaikovsky: Violin Concerto In D, Op. 35 - 2. Canzonetta: Andante

ジョシュア・ベル　マイケル・ティルソン・トーマス指揮ヘﾞルリン・フィルハーモニー管弦楽団 

ウﾞィオリン:シﾞョシュア・ヘﾞル

なんと美しい調べなのだ!  このハンダは音楽の持つあらゆる美しさを内側から光輝を放つかのように音の存在そのものを美的なものに変貌させる。私は普段はクラシックをあまり聞かないが今回ばかりは音に酔ってしまった。この酔いが覚めないようにずっと浸っていたいと思った。

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まとめ 

2024　3/5

この所私はハンダ運に恵まれているようだ。ハンダの再認識というかハンダを改めて再発見する毎日だ。この驚きの度合いはワイヤーとの付き合いの方が長いのだが下手すると驚きはハンダの方が強いかも知れない。今回の正体不明なハンダはその顕著な例だ。なんでこういう音になるのか全く不明だがとにかくそうなる。ギターがまず恐ろしく良かった。レスポールもストラトもどっちもいい。そしてオーディオがまた凄かった。音楽の意味合いが変わってくる感覚だ。ちなみにこのハンダのスプールは直径6.8センチなので小さいものだ。重さは1ポンドぐらいだろう。多分このハンダも音の霊感が強い人には気付かれてしまうのだろうと思う。この音の独特さと希少価値を思うと誰にも売りたくない気持ちと、多くの人と共感し合いたい二つの気持ちが起こり大変にもどかしい…。

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