【164#】Flux Core Solder
他の星に移住する際、持参するハンダ
5cm = 1.380円
☆本商品はアメリカ製ビンテージ・ハンダです。
スプール上データ
FLUX CORE SOLDER
40/60 ROSIN
TIN-LEAD
COMP SN40
3/32
年代は1940年代から1950年代
直径は3.2mm
アメリカのビンテージソルダーなのですがこのハンダ、メーカー名がFLUX CORE SOLDERなのかそれともメーカー名が特に明記されていないのかわかりません。とにかくROSIN COREのハンダです。錫と鉛の比率は40/60です。直径は3.2mm。このハンダも長らくストックされていた物で最近になって気になり近くに置くようになりましたが、遂に出品です。
作業性能は非常に良く低い温度で溶け、よく纏わり付きます。使いやすさは上位グループの中位と言ったところ。表面に何やら小さなシールが貼られておりますが、これはその昔に私が貼ったもので「プリアンプ用ハンダ」と書かれています。そう、このハンダは私がプリアンプ製作用の必須アイテムとして使用した物です。最近ではそれほどプリアンプを作らなくなったし、他にも凄いハンダが沢山、出土しているので出品する事にしました。
出品にあたって試聴したのですが前回、音色チェックをしたのが少なくとも10年以上前の事ですので、改めて新鮮な気持ちで試聴に臨みました。その結果は驚くべきもので最近ではVS4.0にショックを受けたのですが、それと同じぐらい・・・部分的には勝る(※このハンダはAUDIOとGUITAR両方に凄かった!)ところもあります。表題に付けた”他の星に移住する際、持参するハンダ”は、誇張ではなくマジです!!
テストはHOT側とCOLD(GND)側の両方にこのハンダを使用した結果を述べます。
まずAUDIO用の結果をレポートします。
So Much More Beth Orton Central Reservation
まずこの曲を聴いて驚いた。え?この曲ってこんなに沢山音入ってたっけ?と首を傾げた。また定位や音像の姿が異様に鮮やかで、そこにあるように・手を伸ばせば届くように思えてしまう音だ。最近はVS4.0で驚いたばかりだが、あれから僅かしか経っていないのにこの出会いは何なんだ!?。元々このハンダは取って置きの物だった。つまり自作のプリアンプ用に厳選したハンダだった。要するに門外不出のハンダだったのだ。プリアンプなどのオーディオ機器のハンダ付けにこれは最適だと確信し残してあったのだ。実際にかなりの台数のプリアンプをこのハンダで作った。だからこの文章を読んでいる方でプリアンプや音響機器を自作する人がいたら是非このハンダを使ってほしい。・・・とか何とか書いたが後でこのハンダの凄さはもっと広い範囲で物凄い事を知る事になる。
Olofoofo Angélique Kidjo Black Ivory Soul
この曲は再生機材の能力があればあるほど音質的な素晴らしさがわかるもの。このハンダは非常に優秀な曲の再現力で特にトライアングルの何処までも透き通って伸びる音が美し過ぎる。それとピンポイントな音像位置が並のハンダを大きく引き離している。近代のステレオオーディオでは音像の定位の明確さは必須事項であり、よく音場音場と言うがそれは音像が正確に出た後の話で順序を間違えてはならない。音場とは空間の広がりを初期反射や後部残響音などで描くものだからだ。
実音が先にあり、残響はその後の問題だ。その実音の定位がこのハンダはめちゃくちゃいいっ!。他にも音像定位が良いハンダは幾つかあり95#のERSINは音は暖かめなのに左右のセパレーションが異常に良い。また117#のERSIN 3COREは銀入りハンダの素晴らしい例で繊細な高域が美しく解像度や定位に優れる。今回の164# Flux Core Solderは中央部付近やそこから左右に少しズレた位置に定位する音でも滲みなく正確に立像する。通常はその辺りは定位の輪郭線が甘くなるエリアなのだ。中央付近の楽器の定位感が優れている機材やワイヤー、ハンダは物凄く数が少なく無いに等しいと言っても過言ではない。
Undeviginti Simon Phillips Protocol V
このアルバムは今回から試聴曲に加わった。人から推薦されて買ったのだがしばらく放っていた。聴いてみた、今MAC側の再生音量を通常の6割近くまで下げているが全くそれで問題ない。音を下げても感動は全く下がらないからだ。ドラムの図太さや音圧までこの音量で感じ取れるとは驚異だ。音量を下げても良い音が出るハンダとして私はこのハンダを一番に挙げる。音量を下げても分解能や解像度に劣化が起きずに音楽に浸れる。それにしてもサイモンのドラムの音が物凄く良い音に聞こえる。私はドラムもビンテージ好きなので最近のドラムの音は普通、生理的に我慢ができないのだが、この音ならば十分に楽しめるし至福感も味わえる。もちろんその理由はこのハンダだ。
Poet Cassandra Wilson Thunderbird
音量が低い状態でカサンドラを聴く。これも全く素晴らしい。音を下げてもこんなに良い音ならば何故オーディオマニアはあれほど音量を上げるのかと思う。耳の保護を考えると大音量は禁物なのだ。内なる音を聴こう! などと言う気は無いが、この音を聴いてしまうとそんな世界もあるような気になる。小音量でも音が浮き上がって来てくれるので手で掴めるような立体感と現実感を感じる。
Spinning Igor Prochazka Trio Easy Route
素晴らしい! 何が素晴らしいかと言うと中央付近に寄り集まっている音というものは通常は混ざり合うのは良いのだが輪郭が曖昧になりやすく他の音と悪い意味で融解してしまう傾向がある。こうなると個々の楽器の持つ基本イメージや倍音構成などが分解されてしまい個々の詳細を味わえなくなる。オーディオは音の個々の味わいと全体の旨味を味わい楽しむホビーであるからこれでは困るのだ。私はこの問題を解決すべく一つの創作ケーブルを編み出したがそのケーブルでは中央定位の曖昧さは生じない。だから聴いていてイライラしない。気分が良いのだ。しかしこのハンダはもっと手軽に低価格にそれを実現してしまう。
交響曲 第5番 ニ短調 作品47 II-Allegretto Stanisław Skrowaczewski: Yomiuri Nippon Symphony Orchestra Stanisław Skrowaczewski:Shostakovich Symphony No. 5
この低弦の音を聴いてください! 私はひょっとするとクラシックは低弦の魅力が大きいのでは思っているが、このハンダはその低弦が激しく良い。あとティンパニーも良い。ドラマ性と言うのかクラシックは物語性が強く訴求されないと詰まらない。そしてホールトーンが素晴らしく良かった。
Romantic jazz Trio/So In Love-when I look in your eyes
イントロのウッドベースの音が鳴った瞬間、ヤバいと思った。こう言うのは一瞬で来るので時間は必要ない。そしてベースが主役みたいなので中央付近にベースが位置するのだが、普通は中央定位の楽器は何となくモノラル的に立体感が薄くなるのだが、このハンダにはそれがない。中央にベースが居て弦を掻きむしるベーシストの腕や揺れる上体が立体像として見えて来る。しつこいようだが何故ハンダでこのような事が起きるのか全く不思議だ。
A Day In The Life The Beatles Sgt. Pepper's Lonely Hearts Club Band
ジョン・レノンの歌が入ってから鳥肌が立った。何このリアリティ!? そこにジョンが居るじゃん?て誰でも思う筈。正に奇跡のハンダでありVS4.0とは全く異なる異常な魅力を持つ超強力ハンダ。見ての通り残りの量がとても少量なのでこの奇跡のハンダを手に入れられる人は幸運なのではないか? 今、ドラムのオカズが鳴っているのだが私はこう言う音が一番出したかった。
ドラムセットはこれまで一体何セット買ったか数えてないが特にLUDWIGの古いラッカー仕上げの13インチのタムと22インチのバスドラのセットの音がこれに近いが、このハンダの音は更に味わい深く、その昔NHKのリハスタにあったオールド・ラディックの牛革ヘッドの奴に限りなく近い。ドラムはぶるんという余韻が私にとって魅力の大部分を占めるので、そのぶるんをどうやって出すかが技とノウハウという事になる。
しかしねこのハンダ使うとその音が安易に出ちゃうのです。私は中学生の3年間はドラムのチューニングに明け暮れた毎日だった。子供ながら如何に良い音を出すかに腐心していたのです。その3年間を返せと叫びたいぐらいです。VS4.0はレコードの音をマスターテープの音に戻す有り得ないハンダでしたが、このFlux core Solderは超究極な意味でオーディオ/ギターの両刀使いです。こんなハンダ今まで聴いた事ありません。
レスポールです。驚いた事にAUDIOでの印象が余りにもウルトラハイまで制限なく伸びているので、これじゃギターはうるさいだろうと・・思ってましたが・・・これが大間違い! 何?このあま(甘)ぁぁぁぁぁぁいSWEETな音は。オーディオであんだけ分解能や高域が出ているのにギターで全く耳に痛くないと言う奇跡のようなハンダ。
しかもオーディオでは中央にある音の、普通は曖昧な音像輪郭線がぶれず、乱れず、曖昧にならない・・・だけじゃなく小音量にしても情報量の欠損が一切感じられないという信じ難い性能なのに・・・ギターに使うとレスポール専用ハンダと何が違うのと言いたくなるほどのマッチングの良さ。この二刀流は凄いとしか言いようがない。
しかもねこのハンダだけの特徴と思われるモヨッとした下の方の音が何とも魅力的で、実はこういう音出したかったのよねぇと叫びたくなる程の魅力的な音なのだ。このモヨッとした音はこのハンダでしか出せない音なのだ。よくよく聞くとモヨッだけではなく「カリッ」とか「パリッ」とも聞こえる。正直言ってこんなハンダ出しちゃっていいのだろうかと悩んでいる。レスポール弾きにとってこのハンダは通の中の通とも呼べるふかぁぁぁぁい存在なのだ。仮に誰かが本物のバーストを買って期待度MAXで弾いてみて「アレ?」とかなったらこのハンダを出力ジャックのプラスとマイナスに処方すれば「やっぱ本物のバーストは全く違うわ!!」とかになります。
ストラトです。ストラトでもLPで味わった「例の甘味のいい音」が出た。この甘みのある音、実はその音味を表現できる言葉が見つからないのです。しかし音を一音出した瞬間にニンマリとできるに違いないと確信します。クリーントーンは正に鈴鳴りの音が容易に出ます。これは本物の54年~55年のストラトのPUに取り替えたから出るというような、そんな簡単なものではございません。
正にハンダが行うマジックなんです。マジック! わかりますよね、考えても理解不能なトリックみたいなもので私も何でハンダを替えただけでこんな音が出るのか意味がわかりません。全く理解不能です。歪みを深くしても甘味の強い音は無くなりません。そしてその甘みの強さはそのまま色気の強さでもありギターの音が魔法にかかったような音になります。魔法ですから当然、自分もその音を聴く人達も魔法にかかるのです。
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まとめ
このFlux core Solderは音量を下げて聴いても音の明確さが曖昧にならない。シャープな音像定位や解像度の良さが音量を下げても維持できる。オーディオマニアは自宅にオーディオ仲間が来たりするとどうしても音量を上げがちになってしまう。これは少しでも迫力のある音にしたいからなのだが、往々にして失敗しやすく「うるさい!」などと言われてしまったりする。なので音量を下げても良い音が維持できるハンダの存在は実に有難い。
耳の穴に入れるタイプの物は悪い事は言わないので大音量で長時間聴くことは耳の障害に繋がるので控えた方が賢い。だが普通は音量を下げると感動も比例して下がってしまう。これには明確な物理的な理由があり通常のボリュームというものはソースの情報を100とすると、目盛が50(中央)位置では残りの50はGNDに流して捨ててしまう事になる。これはつまり情報量が半分になった事に等しい。更にボリューム目盛を30にすれば残りの70は捨ててしまう事になり更に根本的な情報が欠落する事になる。
つまり音量を下げれば下げるほど僅かに残った残り滓を聴いているような状態になる。だからボリュームを下げるという一つの行為でも音が悪くなるのだが、このハンダではそういう事が無い。これは本当に珍しい事だ。
このハンダの試聴には何日間かかけている。初日にぶっ飛んだ!! しかし翌日の昼間に聴いたら昨日なんであんなに感動したんだろ?と思った。そして今日、聴いてもう一度ぶっ飛んだ。なのでこのハンダを試す人はその辺りの事を予備知識として持って聴いて欲しい。正直な私の気持ちを述べれば仮にこの地球が隕石の衝突とかで終わってしまうので他の惑星に移動とかの際に、ハンダを三つまで持って行って良いとかなれば、私はその三つの中にまずこのFlux Core Solderを入れる。そして【162#】VS4.0も持って行く。そして最後に【109#】1938年製 英国 FRY’S METALを持って行く。何故ならこれらは地球の宝だからだ。
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