【185#】MS-016
(METAL SPOOL 0.16φmm )
ENAMEL WIRE
心底びっくり!
1m = 184円
☆本商品はメタル・スプールに巻かれた0.16φmmのエナメル・ワイヤー単線です。※ブランド等の記載はありません。まぁそれにしても古風ですねこの姿、何だか外は日差しが痛いような太陽の光が当たっているのに、農場の片隅にある納屋の中は薄暗く、その納屋の棚の上に忘れ去られたように100年間置かれていたような風情があります。なのに何だかエナメル線は怪しく生気を放つかのように輝いているのです。まるで漸く儂の出番が来たかとばかりに数年前、日本に渡って来たのです。この後試聴をしたのですが、この線ほど心底ビックリしたワイヤーは正直他にありません。
米国製
年代は1940年代から1950年代
直径は0.16mm
・・・見かけは平凡なエナメル線・・・
この商品には製造ブランド等のデータが一切見当たらないので、見たまんま「METAL SPOOL 0.16φmm ENAMEL WIRE」としました。このワイヤーも日本に到着して以来、倉庫に眠っていた物でやっと日の目を見たのです。はっきり言って地味です、そもそも”えなめるせん”という言葉の響きがあんまり高級感を感じません。 そして細い… もう0.16ミリあたりは通販の限界です。現段階で一つだけ0.1mmというサイズのもの(86#)も出していますが、アレは何かの間違いです。注文があってからお客様ご希望の長さにカットして袋詰めしますが0.16mmぐらいになるとその作業が辛く感じます。それは横に置いといて・・・・この「MS-016」←短くしました。は先程、音をちょろっと聴いたのですが、これがなかなかの音を出していました。そこで、これから本格的に試聴をやる気になったのです。ルックスはこんな感じなのて゛さて音はどうなのか? 一体ど~なんだぁーー~!?(※堺正章風)
テストはHOT側とCOLD(GND)側の両方にこのエナメル線を使用した結果を述べます。
まずAUDIO用の結果をレポートします。
New Life And Other Beginnings Aki Rissanen For Jazz Audio Fans Only Vol.13
これは寺島レコードからですね。ジャズマンの演るエイト・ビートです。特にドラムのレンジ感、解像性能、量感、質感などから大体の事がわかります。で・・聴いた感じですがのっけからスピード出してきます。全然聴き始めたばかりなのに、もうこの音??? 急に大切な物に見えてきました。だってこんなに細くて頼りないエナメル線なのに目を瞑って聴いたらもっと太めの大袈裟でハイプライスなワイヤーだと思いますよ。音の視界は晴れ渡り系で濁った部分がみっかりません。なので視界のあちこちに焦点を合わせるとそれが何処であれ鮮明に拡大されリアルに近付いてきます。ちょっとヤバいなと一瞬感じましたが、気を取り直して試聴を続けたいと思います..。
トラック01 Andre Previn RACHMANINOV 2nd SYMPHONY
たまたま先程の曲の次に鳴ったのがこの曲だったのですが、イントロ部だけをちょっと聴いたつもりが聴き入ってしまいました..。低弦が地を這うような音で正に弦だけによるオーケストラの大重厚な演奏、それを何? こんなに情緒たっぷりに朗々と鳴らし切っておるではありませんか。Dレンジが狭いワイヤーだとこうも広大に朗々なんて鳴りません。そして何処かが歪みそうな気配が微塵も無いことに驚かされます。私クラシックはあんまり長くは聞かないのですが、この音ならどんどん行けます。ちょっと感動ものの音質です。この低弦の音の素晴らしさは特筆ものなんだよね。
Flying The Beatles Magical Mystery Tour
いやぁ、すごい、つまらん線で聞くとこの曲は全く面白く無い音が出る曲なんですが、こんな音が出るとは!!!!! ? !!!!! ?
60年代の曲なので極端にステレオ感を意識し過ぎな録音ですが、そのステレオ感のリアリティが極めて高く、改めて左右という物が存在する事の有難さ、楽しさ、面白さを感じました。ある面ではリファレンス・モニターのような正確さと忠実性を感じますし、モニタールームで聞いているような錯覚にとらわれます。言ってみれば60年代がすぐ隣で鳴っているかのような体験です。
Closer To You Cassandra Wilson Thunderbird
カサンドラ・ウイルソンが世に現れてからオーディオチェック用として彼女のアルバムを使うオーディオ・メーカーやオーディオ・ショップが多くなりましたが、それは彼女のアルバムの録音が非常にリアルだからなのです。勿論、アルバム毎に微妙に違いますが総じて高音質な録音です。それで重低域のちょっと上辺りから中低域ぐらいまでが非常に太い音なのですこのワイヤー。だから気持ちいいんですね。も一度言いますが0.16ミリの髪の毛サイズのこの線からこんな太い音が出てしまっていいんでしょーか?!!! しかも高分解能、そしてレンジが広大、歪み感なし・・・なんですよ。おったまげーの音質でした。
Orbiting Mats Eilertsen Trio Sails Set
それならばと、オーディオ・チェック用の曲を引っ張り出してきました。聴いてみました。思った通りHIFI性能が恐ろしく高く、しかもナチュラルなので何処かの周波数を意図的に持ち上げたような箇所はありません。それでいてビンテージ・トーンなのです。定位描写能力は出音の位置や周囲のアンビエントまでよくわかります。解像度は恐ろしく高いレベルで、これに高域にエッジが付けばKelloggと大差なくなります。それって凄いことでKelloggはその高域にエッジが付く事が特徴で、良く言えば超鮮明に聞こえます。悪くいえばハイ上がりなのかも知れませんが、どう聴いてもそれが悪い方向にはならないのでやはり良いのです。そのKelloggから高域のエッジ付加SWをOFFにしたのがこのワイヤーの音なのです。
Nyanga Simon Phillips Protocol V
最後に「ニャンガ」です。何か曲名が猫っぽいです。私は最近ではこの曲だけでも試聴するワイヤーの音をほぼ掴める気がします。かなり信頼してます。この曲を聴いてわかったのが、この曲はレンジが広く低音がどっしり入っていますので、ワイヤーによっては底の底まで露わになります。それでこのワイヤーの場合、中低域に量感があり、重低音は適当な所でロールオフしているのです。だからまとめるとこのワイヤー低音は量ではなく質というか低音感で出しているのです。低音感とは量感ではなく低域を意識させる音の鳴り方という意味なのです。録音現場的に言えば低域の質感をしっかり感じさせながらメーターは跳ね上がらない..てな感じでしょうか? にしてもサイモンの叩くフロアタムの分厚いこの量感を聞くと上記の細かい事などどうでも良くなってしまいます。
レスポールです。とにかく耳あたりが優しく長く弾いていられます。
音的にはレスポールの木部の原音を正確に電気増幅したような感じです。Dレンジ的には最初からリミッターがかかったようなレンジ感ですがあざとさは全く感じられません。クリーントーンにした場合でも耳にあくまでも優しくアタックの急峻なエンベロープは局用のピークリミッターに制御されたかのように自然に馴染んでくれます。
この辺りはギタリストにも好き好きがありますが概ねリミッター感の付加はギタリストにとって悪くない結果に繋がります。ギターの場合、もう少し中域がBOOSTされたぐらいが(特にLP)丁度いいのですが今のままでも全く問題なく、好みで合わせるハンダでのコントロール範囲内です。BLUES派よりも更に近代のROCKのOVER DRIVEで弾く場合なんて全く持って素晴らしい音でもう何も言う事はありません、最高です!
最後にストラトです。ストラトはレスポールよりはオーディオ的に一歩近く、レンジの広さと音のCOLORの表現幅が必要となります。中程度までの歪ませ方だとある程度のアタック感も残り歪み感とのバランスの良さを感じます。逆にアタックを強調するようなケースでは結構しっかりとパキッとした音が出ますので心配無用。つまりテレキャスターなどにも相応しい音傾向です。James Burton的演奏をした場合、テレキャスターの幅広い表現力を余す事なく出してきます。テレキャスの場合、鋭い立ち上がりと歪み具合が肝ですが、このワイヤーならバッチリです。
最後にかなり深く歪ませた場合は、あのKESTERのスペシフィケーション・ソルダーの音が何とワイヤーで出せます。枯れた歪みの素晴らしさです。ストラトの場合はどうやら深く歪ませた時の音がこのワイヤーと相性バッチリなようです。現在VWD21ではKESTERのスペシフィケーション・ソルダーは在庫無しですが、このワイヤーで代用できます。その場合、微細なコントロールは併用するハンダでできる事になります。しかしこのストラトの音、最高です!
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まとめ
オーディオでのまとめはとにかく「聴いて吃驚して下さい」です。あまりに細いのでAMPの内部やツイーター用とかの用途に使う場合、見かけから来る「この線大丈夫?」という不安が出るかも知れませんが心配御無用! 全く問題ありません。今までこんな線どこに眠っていたんだ?と訝しく思いましたが、何とうちの倉庫だった(笑)。とにかく長く聴いても全然疲労感が生じません。既に1時間は聴いてますが普段ならそろそろ耳が崩壊するような感じがしますが、このワイヤーでは全くその症状は起きませんでした。いやぁ! いい線ですよコレ!!!
ギターのまとめは、やはりLPよりもSTに軍配が上がります。LPも結構いい・・否普通のワイヤーよりも全然いんですが! しかしストラトキャスターでうんと歪ませた時の音は「あのKESTERのスペシフィケーション・ソルダーの音が」出ちゃいます。これサラッと書きましたが凄い事なんです。もう知っている人は知っていますがVWD21が20年前から”スペシフィケーション・・” “スペシフィケーション・・”
と呪文を唱えて来た効果が現在では巷に定着しています。 最初に言ったのは私ですからね(一応)。スペシフィケーションの効果を一言で言うと枯れた歪み感とビンテージ感です。それもスペシフィケーションのそれは独特で他のハンダで100%の再現はこれまで不可能でした。それが何とワイヤー側で出来てしまう面白さ、それがこの「METAL SPOOL 0.16φmm ENAMEL WIRE」(略してMS-016)なのです。
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価格は1m単位ですが一回の購入での個数上限はx6と致しますので前もってご了承ください。
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