基本このDUDLOはオーディオ用とまず考えておりますのでまずAUDIOでの評価、ついでギター用途の順でやります。
CDを聴きます。まずはAki Rissanen(※For Jazz Audio Fans Only Vol.13に収録されている)New Life And Other Beginningsを聴きます。JAZZの8ビート物です。素晴らしい音の立ち上がりがあります。この音はナチュラルと言うよりはスパイシーな格好良さです。パーカッション関係はビシバシと決まりもう気分は爽快です。DUDLOにも色んな音がありますがコレはスパイスが効いたDUDLOですね。打楽器等のパーカッシブな音源の弾ける粒立ち感にのけぞりますね。
続いてフュージョンでDave Wecklが演奏するアルバム「Heads Up」よりHeads Upを!コレはもう実にリズムがビシッと決まっており曖昧さがありません。それでいてグルービーなのです。イケイケの感覚もありますが知性的なイケイケです。しかもイケイケだけに終わらず独特の切れ味鋭い黒光りする魅力的音色が滲出します。その辺りは昨今の分解能はあるが無機質、無感動なそれと正反対。DUDLOには音楽と音色に感動があります。この辺が昨今のHI-END WIREとは違うのです。古い民家の黒光し堂々とした威風の柱、そのような物を感じます。
それで次は歌物でクラプトンの「Tears In Heaven」を、コレがとっても良いですね、VOCALに味がありクラプトン個人の”個”の部分がしっかりと伝わってきます。定位表現もメチャクチャ良いです。この辺りはDUDLOの面目躍如ですね。トライアングルの純粋で透き通った響きはハイエンドな領域まで抜けてきます。そしてしつこい様ですが黒光しています。
ビートルズ「A Day In The Life」ジョンの声がまず良いですね先程のクラプトン同様ボーカルが実にいい。また音像的に各部の彫りが非常に深いので立体感が現実味を帯びています。低音は量よりは質と言う感じで低音感(質的な表現)が非常にあります。低音感があるのでドラムの音も十分に満足できます。脱線ですがジョン・レノンと言う人は歌詞なんかでは愛だ平和だと謳ってましたが実際の生活では全然そうでなかったようです。ま、ある意味アーティストなんですね。
次はカサンドラ・ウイルソンの「Red River Valley」スライドギターをバックにしたアカペラ風な曲ですが・・ここでGND線をリファレンスの物からHOTに使用しているDUDLO 0.15mmΦ 布巻き裸単線に統一しましたら益々DUDLO TONEが濃厚になりました。ある意味GNDを変える事によって自分なりのDUDLOサウンドが表現できるのですね。GNDもDUDLO 0.15mmΦにすると細いですから低域はほんの僅か量が少なくなるものの・・その代わりVOCALの浸透度が上がります。つまり存在感が増すのです。
最後は「ハリーポッターとアズカバンの囚人」からDouble Troubleを! コレはですねある意味KELLOGGに迫る分解能で、KELLOGGが自然派の高解像度だとするとこのDUDLOはエンハンスがしっかり効いた高解像度世界と言えます。恐ろしいワイヤーです。とにかく音楽を気持ち良くするエンハンス性能がこのワイヤーのポイントです。
さてさてギターに行きましょう! まずはレスポール(LP)。またまた私の先入観からギターは撚り線に限るという”思い込みで”聴いたらあら不思議、何の違和感もありません。LP特有の粘っこい艶がしっかりと出てきます。ひょっとしてコレを7本撚りとか5本撚りしたらギター用のベストな撚り線ができるのではと妄想しました。しかもこの電線は布巻きなのですが内部は裸線なので数本撚りにする時も隣の線と触れ合う”撚り線らしい風情の音”が簡単に作れますね。これでエナメル皮膜だったら作業はメチャ大変ですから・・・。
AUDIOの場合は撚り線は隣の線と触れ合っている為、必ず音が鈍り迷走しますから、物は使いようですね。このワイヤーは音のエッジがややエンハンスされる為、元音よりもはっきりとします。こう言う効果はトーン・コントロールでは作れない物なのです。この手の良さげな味付けは私はウェルカムですね(笑)。LPのクリーントーンでは立ち上がりが早くピッキングの瞬発性を100%リスナーに届けてくれます。ギタリストの努力が報われる瞬間ですね。さてここからLPを歪ませていくとスパイシーさが拡大し刺激が脳内直撃しますから、コレは下手なエフェクター使うよりも良いかも。
最後はストラトキャスターで締めます。レスポール同様クリーン・トーンがかなり良いのです。単線だから・・とか線が細いから・・・とかは全く関係なく良い音出しています。この単線のイメージを覆すDUDLO、実はWEなんかよりずっとギター向きなメーカーなのかも?。クリーンから少し歪ませていくとストラトにザリッとしたいい感じのEDGEが加わり気持ちいいですね。このテイストは正にビンテージ感が良く出ています。一音一音ずつの立ち上がりにエンハンスがかかってきますのでリスナーはこの音に生理的に反応せざるを得なくなり結果的にギタリストが注目される仕掛けになっています。そんな器用な技も持つDUDLO! スパイシーストラト万歳!!!