【38#】 ドイツ1952年 klangfilm 0.5mm 錫メッキ単線　1m = 520円

【38#】 ドイツ1952年 klangfilm 0.5mm 錫メッキ単線　1m = 520円

☆本商品は1952年製のドイツのクラングフィルム社のビニール皮膜

されたスズ・メッキ単線です。色は緑と白のツートーンです。

☆ドイツの線について

VWD21はアメリカ製のビンテージなワイヤーやハンダを多く出品していますがその理由はアメリカが戦争で一度も大敗していないからです。よって米国本国には物資として多くの古い電線やハンダが残っているのです。戦争で負けた国は物資も材料も戦後疲弊します。ドイツはどうかと言うとアメリカ物に比較すればずっと少ない残量です。

お国柄はワイヤーにも大きく反映されますからアメリカの線とは一味違う事になります。さて、今回出品する1952年製クラングフィルムの0.5mm単線はどんな位置付けかと言うと、絶縁皮膜にビニール素材（合成樹脂）を使用しているので布巻きやシルク巻きの同口径の単線ワイヤーに比較しリーズナブルな価格でその割に音質が良いと言う事です。

ビンテージ物をそのルックスからも評価する人ならば勿論、コットンやシルク巻きの物の方が何か良さそうに思うのです（私も含め）。しかしながらそれはエナメル線に対する一種の差別と同様、単なる思い込みに過ぎません。確かに絶縁素材が音質に影響を与える事は事実ではあるものの、その絶縁素材による差はワイヤーの差に較べれば小さいと言わざるを得ません。

ワイヤーの場合、最大の問題は中身（銅線）そのものなのです。嫌ならば被覆を剥がして別の物に入れればいいだけです（面倒ですが）。テレフンケンとクラングフィルムは共に日本で人気のあるドイツ・ブランドですがどちらも数は少ないです。

以下に☆1952年 klangfilm 錫メッキ単線の解説を。

この1952年 klangfilm錫メッキ単線は 0.5mmの直径です。絶縁皮膜も含めた直径は実測0.9mmです。かなり使いやすいサイズなのでオーディオやエフェクター、ケーブル製作にと色々と使えます。カラーは緑と白の縞模様です。まぁメーカーとしても多用途フックアップワイヤーとして作ったのだと推測します。 フックアップワイヤーとは配線材の事でアンプや機器の内部配線等に用います。そのフックアップワイヤーの中でも0.5mmの物は太過ぎず細過ぎずのサイズと言えます。さてこのワイヤーの音質は・・・・

オーディオとギターの二分野でテスト

オーディオのテストはHOT側とCOLD（GND）側の両方にこの1952年 klangfilm錫メッキ単線を使用した結果を述べます。これはCDを聴きます。まずはデイブ・ウエックル「Tee Funk」フュージョンですが切れ味が良くバランスの良さが目立ちます。全ての帯域で凹凸が無くストレートに澱み無く音が出てきます。おっ! いいじゃないかとここで思いました。しかもうるさく無いのがまたいいです。

結構、精密機器的なイメージの音がします。緻密、繊細、精度が高い音・・・そんな感じです。中域には力があるので元気の無い中抜け感は全く無いのが凄い所。高域端と低域端は適度にバランス良くロールオフしています。しかしナローな感じは皆無! 妥協を許さない音のようで曖昧さがありません。ここはドイツのお国柄なのかも知れません。次はクラプトン、クロニクルから「Tears in Heaven」歌が思ったより良い感じでクラプトンが身近で歌ってる感が凄いです。

なかなかこのような現象は普通起きません。歌がバックから一歩抜け出しているような不思議な感覚です。細部よりも全体を聞かす感じかなとも思いましたが、どっこい細部の鑑賞でもなかなかのハイレベルなのです。オーディオ的にもBGM的に流すのでもどちらも行ける感じです。そういう意味で全く不満が出ません。時折ハッとするような魅力ある音も出て来るのが嬉しいです。

次はビートルズの「A DAY IN THE LIFE」。歌がかなり印象的なのはクラプトンの時と一緒です。温度感としては暖色系と寒色系の中間からやや寒色系にふれている感じと言えます。ここもアメリカ・ワイヤーとは違うドイツ物らしい特徴ですね。まったりとした真空管AMPと言うよりは、良く出来たトランジスターAMPの音という感じです。低域の馬力がそんなにあるとは思えないものの、喫茶店で良く流れているBOSEのスピーカーに特段低域の不満を感じないように、このワイヤーでの低域は特に不満が出ず過不足感のない低音です。

べス・オートンのSo Much moreでは特に12弦ギターの繊細な倍音がそのまま綺麗に鳴ります。これは少し安心しました。やはりこのワイヤーにはドイツ魂のようなものを感じます。ベンツを始めとするドイツの重厚緻密な工業製品の品質の高さは車やカメラ、そしてオーディオ製品等、多方面に渡っています。KlangFilmはその名の通り映画関係の会社なのですがSPEAKERの品質の高さはWEと並ぶ技術力を持っています。1952年というとまだまだ良い品質のドイツ製品がありますから、その時期に作られた本ワイヤーも良くて当然なのかも知れません。その質実剛健の品質は大変に評価できるもの。とにかく抑えるべき所はしっかりと抑えると言う感じで全ての音楽ジャンルに渡って幅広くしなやかに対応できる所は流石としか言いようがありません。

と、ここまではオーディオでのお話。

ここから先はギターのHOT側COLD側両方に1952年 klangfilm錫メッキ単線を使った結果を一応取り上げておきます。

まずはレスポールです。

これがですね・・・悪く無いから不思議です。こちらの先入観が災いし、聞く前から偏見と思い込みで捉えていましたが大きな間違いでした。聞いた瞬間、アラ不思議!?ちゃんと紛いも無くレスポールの音が出ているではありませんか。私自身は単線マニアなんですがことギターに関しては撚り線だと決め付けていましたから今回の結果には唸りました。 しかしながらどんな風に思い込んでいたとしても実際に音を聞くとその疑念は吹き飛んでしまいました。

これはやられたなと思いました。何てったってドイツ製、しかも単線…..　　ギターには合うわきゃないわ、と思ってましたから..。それでLPの場合、クリーントーンから聞きましたが想像以上にこれが良いのですよ。しっとりと輝かに落ち着いた良い音がします。歪ませていくと更にどんどん良くなってきます。何と言うかLPの良さが生きてくるんですね。これはひょっとするとVWD21が推薦する初のLP用単線になるかもです。この段階で、このワイヤーはどんなジャンルにも行けそうな気がしてきました。

ストラトの場合はどうか?  これも気になりますよね。LPが良かったのでもうお腹一杯な幸せな気分になってましたからSTについてはダメでもいいやと思って聞くと・・・なぬっ、これもいいじゃない! ギターで2度喜びました。この明確な音色はSTの良さも明確に引き出してくれますので言う事がありません。ちょっと信じられないぐらい用途の広さを感じます。

普通、ワイヤーはその固有の音色を何処に活かすかが妙味ですが、逆に言えばそれは”～向き”という言葉で括られる使い勝手の狭さも意味します。その狭さがこの1952年 klangfilm錫メッキ単線には全くありません。されどビンテージな味わいが豚骨ラーメンの如く濃厚、、と言う事もなくさりとて現代ワイヤーのようなつまらなさも無い。まことに不思議なワイヤーなのです。「万能ワイヤー」だけでは括れない魅力を多々秘めているのです。

まとめ 

まとめです。この1952年 klangfilm錫メッキ単線の音はパッと聞いただけでは地味に感じる人も居るかも知れません。アメリカ物のように良くも悪くも激変するタイプではない事が聴き続ける事によって理解納得されます。そしてさほど時間が経たないうちにこのワイヤーの魅力に気が付くでしょう。

例えばWEのブラックエナメルのようにチェンジするとガラッと世界が（良かれ悪しかれ）変わるような大袈裟な感じは全く無く、入力ソースの個性を保ったままドイツ風に伝送します。ドイツ風と言ってもクラングフィルムの古代のワイヤーのような如何にもビンテージで御座います的な感じではありません。どちらかと言うと現代ワイヤーに通じるレンジの広さと忠実性があり、それに加えて1952年らしい微妙な味付けが薄味で成されます。

この京風薄味加減に最初は馴染めずクラングフィルムの古代のワイヤーの音を期待していたので、ちょっとガックリ来ました。ドイツのワイヤーの場合、50年代ではさほど古くない音がします。古ければ良い新しければ良いという世界ではありませんのでこれはこれで使いようだと思うのです。冷静沈着でありながらも中には情熱が籠っている・・・そんな感じにも聞こえます。一つ言えることはこういう音は飽きないです。聴いているうちに徐々に気持ち良くなっていくタイプです。

あ、そうだ忘れてた! ギター用途は先に述べたように意外や意外!!お試しあれ♪

【ご注意】

価格は1m単位ですが一回の購入での個数上限は8（1m x 8 = 8m）と致しますので前もってご了承ください。

数量１（1m）以上、必要な方はカートに入れる前に数量指定（MAX=8）をして下さい。