【78#】正に絶品のスープ♩　SX 0.15φmm 布巻きエナメル単線 1m = 380円

5.0

商品説明

2023 9/27

【78#】正に絶品のスープ♩　

SX 0.15φmm

布巻きエナメル単線　

1m = 380円

SX WIRE PRODUCT

1930～1950

0.15mm

AMERICA

COTTON COVERED ENAMELED WIRE

この商品はSX WIRE PRODUCT（略してSX WIRE）の布巻きエナメル単線です。アメリカ製で布巻きの内側の単線の太さは0.15mmです。年代は字が掠れていて読めませんがスプールの材質形状から1940年代か30年代、新しくても50年代前半という感じですね。ワイヤーは木製スプールに巻かれ保存状態はまぁまぁです。なので巻かれている線も汚れがあり見た目は余り良くありません。しかしながらこの手のビンテージ・ワイヤーは製造されてから70年は経過しているのですから綺麗なまま保管されている方が不思議なぐらいです。ま、音はいいですからその点は心配ありません。

今回のテストはHOT側とCOLD（GND）側の両方にこの線を使用した結果を述べます。このやり方は最も線そのもののキャラクターを知る方法です。基本のキャラクターがわかった後でGND線を色々と変えて楽しむのも一興です。

まず最初にAUDIO用の結果をレポートします。

A Day In The Life　The Beatles　Sgt. Pepper's Lonely Hearts Club Band [Disc 1]

まずポール・マッカートニーのヘフナーベースの音がいい! あのベースはボディの空洞に弦の音が共鳴するのでその独特な弾み感があるのだが、それが如実に出ている。ドラムも重くて秀逸! ちゃんと重量感も伝わりドラムの音を堪能できる。当然に主役の歌も大変に良く加えて他の楽器とのまとまりに長けている。大変、優秀なので注文を付け加える必要は全く無かった。音楽の全てを俯瞰して見たり逆に細部を覗き込んだり両方できる性能の高さが嬉しい。

Poet　Cassandra Wilson　Thunderbird

録音技術が良く見える。ここで「見える」と使ったのは良い音で聞くと単に聴くだけとは異なり、視界が醸成されるのだ。つまり音が見える訳で、見えるような音が好きな人にはこのワイヤーは頼もしい存在だ。録音内容の把握が容易でモニター的な使い方もできるから作曲家の方や録音関係の方などにも向いていると思う。全ての音に刺激的な所は無いのに各部をはっきりとナチュラルに描くので音が良く見える。

Lunch Break: Peak Hour　The Moody Blues　Days Of Future Passed

とにかく全体のバランスが良く各部の見え方と他の部分との調和/融合感が素晴らしい。弦の音や各種のオーケストラの打楽器、鍵盤楽器の音がしっかりと立っている。そしてトランジェントが良い事に驚く。この細い線のどこにソレが隠れているのか、ただただ驚くばかり。音が美しく調和の極みを堪能できる。

Heads Up　Dave Weckl　Heads Up

この曲に至って漸くこのワイヤーの音の切れ味も凄い事に気がついた。さっきからバランスだの調和だの、使って来たが・・やはり私的には切れ味の鋭さは絶対に欲しい所で譲れない。とにかくビシッとスネアの音が決まってくれる。私は中学1年からドラムを叩いていたのでスネアの音にはちょっとうるさいのだ。スネアはリムショットが決まらないとすぐに欲求不満になる。

だがこの音は爽快そのもの、そしてグルーヴを感じさせてくれる乾いた粘り気もある。それは管楽器にもプラスに働きやたらブラスのアタック感が良いのだ。ブラスは管楽器だがこうなると打楽器だ、アタックの良さ、トランジェントの良さが打楽器的爽快感を生むからだ。ゆえにこの音には緩さやダルさが皆無。そしてこの曲でも全体的なバランス感が理想的で全く聴きやすくて堪らない。要するに聴き疲れしない音なのです。

Every Breath You Take　　Karen Souza　Essentials

とにかく艶のある声がいい。この声はこれまでこの曲を聴いた中で一番です。喉の奥の方まで見えるような脅威の表現力の深さ。無論、声だけではなく周りの伴奏楽器の音も当然に良く音の立ちが良いので音量を下げても訴求力が変わらない。伝達能力が音量に拘らず維持されるのです。これは深夜なんかは良いですね。音量を下げた時は寧ろ細部の様子が視覚化されるような感じがあり驚かされます。

Orbiting　　Mats Eilertsen Trio　　Sails Set

細部の表現とりわけ定位表現は歴代のTOP機種と遜色ないレベルに達していて価格の安さから見ると非常にお得なワイヤーと言えるのかも知れない（いや断言します）。最高レベルの表現力を持つKelloggやAnsoniaの水準を満たしてしまっています。つまりハイエンド用途の素材として使えます。また他のワイヤーには無い調和の美とでも呼べるような響きの美しさとハーモニーがあり、最終的な仕上がりはナチュラルで誇張を感じないところが有難いのです。これは長く聴いていられる音です。

レスポールです。LP用のワイヤーとして優れています。ちゃんとニャーニャー音も出るし、その湿度感はWETとDRYの中央付近にあります。乾いていると枯れ感が出て、湿っていると粘りが出るのですから、その美味しい両方の成分が出る事になります。最近、粘りという物の大事さを69#のGARDINERハンダで教えられましたがこのワイヤー、その粘りが付くのでLPには良い傾向なのです。

やや暴れ感を残していますのでワイルドさを失う事もなくクリーンなだけでは物足りないと言う事をこのワイヤーは教えてくれます。60年代の初期の頃が持つある種のワイルドでダーティな音、わかりますでしょうか? そういう物もこのワイヤーには感じられます。故に長くこの音を聞いても全く飽きる事がありません。クリーントーン時は音のアタックに若干の甘味が付くのがまた良いです。だがこのワイヤーの真骨頂は歪ませた時の良さですね。

ストラトです!。シングルコイルPUの持つアタック時の波形の立ち上がりの正確さは、そのシンプルな構造からハムバッカーよりも優れるのですが、このワイヤーはそこが鈍らないのです。シングルPUならではのハイスピード感が味わえます。そして倍音も音が粘る所から附加されるので何らかのエフェクターを通した時のようなご機嫌な音に聞こえます。

耳に痛い部分が仮にあったとしても歪ませていくとほぼ姿を消していき心地良い音のみ残る感覚です。LP同様、ずっと弾いていたくなるようなスムーズな音です。枯れ感が更に欲しい場合は使うハンダで調整していくと良いです。

まとめ

このワイヤーはしたたかだ、自分の世界を持っていてそれだけで完結している。その完結が独りよがりではないのが凄い。音のまとまりという点では最上位に居る。まとまりとは何だろう? 考えるに音楽の素片は声だったり、楽器の音だったり、効果音だったりなのだがそれらは音楽の中で一つにまとまらないと聴いている方は身の置き所が無くてモジモジしてしまう。これを落ち着かないと言い換えてもいい、あるべき所に適宜、音楽を構成する音の素片達をうまく配置して調和の美を構築しているのだ。

スープの具は溶け合わないと旨くないのと一緒

このワイヤー、VOLを下げても表現力が下がったりせず音楽の内容が見えにくくなったりもしない。超高域までシャープに伸びているというよりは高域（8K～10KHz）が+1dBぐらい上がったかのような明瞭度。この作業をEQでやると電気臭くなってしまうので、このワイヤー1本の方が賢いと言えます。

音楽のジャンルを全く選ばない。万能というよりは全能なのです。Vocalは高域の子音に好ましくスパイスを加えた時のような印象。そしてそれは繰り返しますがEQではできない芸当なのです。レンジも結構広く各レンジ毎の分解能も高い。中域が高域よりもぶっとい空間を持っているのだ。これはウッドベースを聞けばよくわかります。あと、あと、あと、女性の声が良い!　女性の声が確実に高い次元に居ます。声のMIDが太くなり声帯が太くなったような、そして倍音が基音より出てくるので気持ちが良いのです。

【ご注意】

価格は1m単位ですが一回の購入での個数上限はx10と致しますので前もってご了承ください。

数量１（1m）以上、必要な方はカートに入れる前に数量指定（MAX=10）をして下さい。