【197#】ALPHA 屈強線
ALPHA WIRE CORPORATION
灰色撚線 (0.2φmm x 10)
極上のテレキャスタートーン!
25cm = 2.500円
☆本商品はALPHA WIRE CORPORATIONの小型スプールに巻かれた、地味な灰色にビニール絶縁された錫メッキ撚線です。特徴として撚線を構成する各芯線がやや硬めな事が挙げられます。この硬いタイプの物は高域に特徴が出やすく、事実このワイヤーも高域に特徴が見られます。導体そのものの硬さや柔らかさはそのまま音質に反映されますので結構重要です。
年代は1960年代から1970年代
直径は0.2mm x 10本 撚線
アメリカのビンテージワイヤーの中ALPHAは数は沢山あれど種類が多過ぎて正体が掴めない。しかもハンダまで作っている多極的メーカーだ。米軍とも関係しているという話もある。たまにアルファにはヒットを飛ばす奴が居るので侮れないメーカーだ。実はALPHAはストラト用に良かった線が案外多い。その確率はベルデンより上で勿論WEより上だ。その昔売っていたALPHAのワイヤーはストラトの50年代のオリジナル・ワイヤーとほぼ同じ音色がしていた。なのでオールド・ストラトのリペア用に重宝した。ハンダも案外良くて、それも一つや二つではなくかなりの数で良い。そしてオーディオ用としてもごくたまに良いものがあったりする。繰り返すがどう考えても侮れないメーカーなのだ。
テストはHOT側とCOLD(GND)側の両方にこの線を使用した結果を述べます。
まずAUDIO用の結果を少しだけレポートします。・・と言うのは
このALPHA WIRE 、テレキャスターにドンズバだった。
ダニーガットンのCDを聴いてこれは良いと思った訳だ。
Last Rose Of Summer (Intro) / Walking In The Air Celtic Woman Celtic Woman [Bonus Tracks]
何を聴いていいか検討がつかなかったので何気なくこれを。聴いてじわっと伝わってくる物を観ずるに・・・そうか! 確かに硬質なエッジだけが齎す真実味の高い描線を感じる。特に驚いたのがチャラチャラ、シャラシャラと鳴る金属片の装飾音だ。また声のエコー成分が鏡の間のように様々な場所に現れるのが幻惑的。その幻惑さ加減が他のワイヤーより一桁、強い。パンフルートの音は少し寒いけど晴れ渡った空に広がり溶けていくような爽やかさだ。
Tomatillo Dave Weckl Heads Up
屈強線の本来の良さが出てきたぞ。寝起きにこの曲をこのワイヤーを通して聞けば目が覚めること間違いなし!。そんな目の覚めるような音だ。炭酸系とも言える。・・・・・・だがこの後カレンソーザだのラフマニノフなどを聞いて理解した。オーディオには特殊な用途にしか向いていないことが。
The Simpsons Danny Gatton 88 Elmira St.
ダニー・ガットンの傑作!テレキャスターというギターの可能性を1000%出した名手中の名手。多分これを聴いたことがない人が初めて聴いたらその日中に楽器屋に飛び込みテレキャスターを上から下まで眺め上げるに違いない。それぐらい他のギターでは思いもつかなったPLAYをダニーが演っている。これをマスターしたら君も名人だ――――死ぬほど難しいけど―――。最も彼はかなり改造を施しているから吊るしのテレとは違うけど、これほどの可能性がテレキャスターにある事を全ギター国民に知ってほしい。音源で聴いて良かった場合、実際にギターに実装しても良い結果が得られるので後でテレキャスターにも取り付けてみよう。
レスポールです。何故かクリーミーな音がする。決してワイドレンジではなくナローレンジだ。その中にまとまってレスポール世界が凝縮される。やはり濃厚ジュース濃厚牛乳的な雰囲気が強く薄味が好きな人には手強い相手だ。だがしかし慣れてくるとこの良さにいつの間にか浸ってしまう。所詮、ギターサウンドと言うものはナローレンジだ。その中でのあれこれなのだ。だからナローな中で何を表現するか 何を表現できるかが問題になる。クリーン気味に弾いてもある種の歪っぽさが乗るのがカッコいい。ここから歪みを増やしていくと本領発揮である。陶酔感500%のめちゃカッコいい音が暴れ出る。そう、この音は一言で言うと格好いい音。それに尽きる。
ストラトです。ちっ力強い! これが最初の印象。そして音がはっきりしている。これならバンドの騒音の中でもグオンと抜けてくるだろう。泣きに関してはスペシフィケーション・ソルダー的な雰囲気があり、そこまでは枯れてはいないものの80%はそれに近い。加えて音の真実味とでも言えばいいのかな、一つ一つ一音一音に真実味がある。これが「屈強線」のポイントかも。あとギュワーンという回転ドリルのような雑味を沢山含んだ歪みが音に付加され、それが妙に格好いい。この音のストラトのソロが始まったら聴衆は静まり返って聴くだろう。以上はかなり歪みを多くした時の印象。しかし予想通りクリーンにやや近づけた音でも気持ち良くなる歪み成分がまとわりつく。
ついでだから予告した通りテレキャスターでも試してみた。始めに断っておくと同じFender社でもストラトとテレは全く違うものである。そこんところ宜しく、と始めますと・・・。いや、これが・・・何つーか・・いいのよ・・・うん・・・いい。という音がまろび出た。つい最近テレキャスターに一押しの配線材が現れたのだが同じくらい良いのだ。あっちは強引にテレキャスターの魔宮の中に弾くものを吸引する仕掛けだったが、このAlphaはそれよりは一般会社員の颯爽と歩いている風に近いかも。そう、ある意味正統派のテレキャスターの音が立派に出るもんだから私はこの度ALPHAを再度見直しました。テレの場合、ねちゃっとした音やクチャッとした、音の食いつきが出ないとダメ。サスティーンが短いのが勝負なのでストラトのようにアイアン・ブロックで余韻の時間稼ぎはできない。アタックNo.1がテレキャスターの信条だ。良いお手本はダニー・ガットンだ。テレキャスターの良い音源は何?と訊かれたらすかさず私はDanny Gattonの88 Elmira St.を推薦する。
ただね…怖いんだよねテレキャスの神様になると大抵自殺するからね。まぁ普通の人には関係ない話だけどテレキャスターにはそんな魔物が棲みついている。そんな魔物が出す音がこれじゃないのか?!
追記:とにかくテレキャスターの粘りがとても気持ち良過ぎる。テレキャスターは立ち上がりが良いとされるが、それだけではない、レオにはそれなりの目論みがあったのだ。それがカントリー&ウェスタンの音楽に適するサウンドとトーンだ。なんだカントリーと言うなかれ、何故なら黒人音楽の影響をほぼ受けずに真っ直ぐ白人音楽が醸造された姿だからだ。なのでアメリカ白人にとってカントリー音楽はわが故郷なのだ。その大多数の聴衆に向けてレオ・フェンダーが2個のPUを用意、ブリッジ側のPUは鉄の枠の中に埋まる形で配置されギャンギャンの音なら任せとけ的存在である。
よく言われるのは超初期のテレのリアの音はロックンロールだという事。これは構造的に考えるとよくわかる。LPとは異なるアプローチながらLPよりも癖が強いのだ。レプリカPUではこの古き良き時代のあの音が殆ど出ない。皆さんPUをレプリカ物に交換するのだが・・気持ちはわかるが悪いけど本物の音は出ない。似たような音は幾らでも出る、だが本物じゃない。そりゃ当然だ、そんな簡単に本音の音が出てたまるか! と当時の設計者や当時のPU職人は思うだろう。材料が全て違う。鉄も巻線もリードワイヤーも巻線機も全てが異なるのだ。出てたまるか!?だ。そしてネック側PU、なんだこりゃである。明らかにリア側と異なるコンセプトの設計だ。まず全体が小さい。しかも金属カバーに入っている。小さい為、番手の更に細いAWGワイヤーで巻くしかないのだ。AWG44とかだったかな。ストラトはAWG42なので、それより更に細い。PU職人泣かせの細さだ。彼らは巻きながら「なんでこんな事やってんだ俺?」と無言で思っている。
一度でもPU巻きをやったことのある人ならばわかるだろうこの気持ち。かくいう私も10代のみそらで手製の巻線機のよーなものをでっち上げ泣きながら目を回し巻いたものだ。完全に首から上はスティービー・ワンダー状態になってしまう。ストラトに使われているAWG42ですら髪の毛よりも細いのだ。これを1PUあたり数千回も巻いて作るのである。ストラト否ストライキを起こしたくなるような苦痛の作業だ。アビゲイル・イバーラさんはよく文句も言わず巻いたものだ。その荊(いばら)の道を文句も言わずに。そのイバラさんですらAWG44のテレ用フロントPUを巻いている時はストレスが1000%に達していたに違いない。なのでランチは近所の食堂でガツガツ食べてうさを晴らしていたのかも知れない。それはともかくPU作りは大変だと言う事を改めて皆さんに訴えたい。知り合いの高野さんはビンテージ風PU作りの日本に於ける貴重な名人なのだが私は彼は良くやっているとつくづく思う。
多分、その知識の量と執拗なまでのこだわりは他の追従を許さぬものだが、そんな彼の作るPUですら当然ながら本物と全く同じ音がする訳ではない、しかし彼の名誉の為に言っておくと海外の数多のPUブランドが35%程度本物に近いとするならば彼の巻くPUは75%以上は本物に近い。話は飛ぶが本物の音に近い音にしたい場合、そのアプローチをオリジナルの設計法や回路、云々カンヌンに求めると結果は予想に反し大幅にオリジナルとは違ってしまうと言う妙な事態が起きる。その理由は音を似せる事に100%重きをおかないからだ。回路や構造や素材をいくら本物と同じにした所で同じ音は出ない。これは不思議だが本当だ。理由はこのサイトに来る人ならば想像がつくよね。そう、音から入っていかねばならない。構造や素材、回路から入る人は構造や素材、回路が同じだから「同じ音が出る筈だ!」と頑なに思い込む、特に理系の頭はそのようになる。じゃレスポールのコピーモデルでどうなんだと言いたい。同じ音が出たかである。否である。
だから音から入らないと出口に辿り着かないのである。今私は世界中の関係者に大事な事を伝えたつもりなので必要な人はメモをとってほしい。今回特別に一つの例を挙げよう、フェアチャイルド670という今となっては高価なプレミアが付いたVINTAGEリミッターがあるのだが、私はその昔、みんなが670、670と騒ぐものだから同じ音が出るリミッターを面白半分に作ってみた。オリジナル670はバリミュー管という特殊な真空管を使用した真空管回路だ。現在でもどこぞのメーカーが同じような回路や素材を使ってコピーモデルを出したりしているが670と同じ音が出る可能性は限りなく低い。何故なら音質から攻めていないからだ。私は音質から攻めた。何と真空管を使わないトランジスターやオペアンプを使った半導体回路なのだ。外観のルックスは大事なのでデザインニュアンスは何となく似せてみた。それがこれだ。↓(※今じゃこんな面倒臭いことは絶対にしない!)※メーターだけは50年代当時の物を見つけたのでそのまま使用。オリジナルも多分このメーカーに発注したものと思われる。
ちなみにオリジナルの670はこれ↓
それで音質はどうだったかと言うと既に本物の670を持っている某レコーディング・エンジニアが言うには
ほぼ聞き分けはできないと語っていた。そしてそりゃそうだろうと思う。音を聞きながらそっくりの音を作ったからね。そこには色々なノウハウがあるにはあるが要は耳で聴いて区別がつかないまでに追い込んだからに過ぎない。ネットで探したら誰かが書いた評価文を見つけたのでそのまま転載↓
TMD MODEL670コンプレッサーは高名なフェアチャイルド670リミッターの音を真空管は1本も使用せず再現した製品です。。その音質は間違いなくオリジナルです。670そのもの、さらにフェアチャイルド以外にもTELETRONIX LA-2A、UREI 1176ブラックパネル[4本差し]、JOE MEEK SC-2、TUBE TECH CL1B、DBX 160SL風の音質設定が可能です。見た目からしてワイドな機能、そして極めてワン&オンリーのテイストを醸し出す素晴らしいリミッターです。ビートルズやピンクフロイド、ツェペリン等の古き良き670サウンドを目指したい方には最高の1台となるでしょう。
追記だけど・・・最近670の本家的復刻版が出たらしいが何と価格は¥5,514,290だと言う。むぅ高いねぇ~、、、。更に追記ですが本物の670はつい最近55,286,000 円で売ってました。桁が間違えているんじゃ無いかと思いますよ。tmdの670は安かったね..。
さてギターのPUでそれを行う(似たような音の物を造る)のは作っちゃ聞き、作っちゃ聞きを果てしなく続けなければならないので気が狂う作業だ。まぁ、ここを見ている皆さんはワイヤーやハンダで「音から入って」自分好みの音を探せるので幸せなのかも知れない。
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まとめのはじめに
オーディオについて言うと、正直一般的(オーディオ的に変態な人とか求道心の塊のような人はこの限りではない)ではないよーな気がする。何故なら高域が鋭く強過ぎるからである。車で言えばアクセルをちょっと踏んだだけなのに突っ走るとか・・・。また低域がほぼ無いような気がする。不思議な事だがこれだけの本数があるのにも関わらずだ。カレン・ソーザとかを聞くとEQを間違えてかけてしまったような音がする。ふむ・・・硬いワイヤーというのは使い方にプロ的な要求をされるんだな。しかし逆に考えると使い方さえ的を得ているならばこれほど利用価値の高いワイヤーは無いのかも知れない。例えて言えば2wayのホーンスピーカーシステムのホーン部分にこのワイヤーを使えば自然とローカットしてくれる的な雰囲気がある。
しかもホーン帯域は明瞭かつ前向きである。RCAケーブルの自作の場合、ここを通す事により後は低域部分だけを何かで補えば良いのかも知れない・・・などと思う。しかしテレキャスターなのかも知れない。この所テレキャスターがよく出てくる。時期なのかも知れない。これまでテレキャスターはストラトなんかに比べれば冷遇されてきたとも言える。あの格好がまずカントリー&ウエスタンな風味なのが仇となった。その点ストラトは未来からやってきたような形である。現在ストラトをデザイン的に超えるギターデザインは現れていない(もちろん私見です)、嘘だと思うなら自分でストラトの格好から更に格好いいデザインをスケッチしてみてほしい。大抵はどーでもいいデザインしかできないはずだから。テレキャスターは音で勝負なのだ。日本ですらテレキャスターを弾く名人的雰囲気な人は大抵変わり者が多い。私の知っている人も相当に変わっている、彼は多分強烈に黒人テレキャスター弾きのあの人の影響を受けている。
その黒人ギタリストはステージから客席の最後尾まで届く超長いシールドケーブルを使って会場を自由に闊歩する。これは数多い黒人変態ギタリストの中でも突出している。なぜテレキャスターにハマるとこのように変態になるのか?多分、それはテレキャスターの持つ魔性なのだ。ストラトは門戸を広く開けいらっしゃーいと多くの子供達を惹きつける。だがテレキャスターの門戸は閉じられていて自分で「すんません・・入りまーす」と開けなくてはならない。実際にあのフラット気味な指板は弾きづらい(私見です)ストラトに一見にているのに物凄く弾きづらい。弾きづらいのでその指板に合わせた奏法やフレーズを探っているうちに段々変態になってくる・・・このような過程を経て人は重症なテレキャスター弾きになるのだ。御愁傷様。そこからストラトにまた戻れるのであろうか? かなりそれは怪しい。不可逆的な固着がなされるのかテレキャスターに完全に嵌った人はそこから脱出できない、否、安住するのだ。怖いギターです。テレキャスター。その怖いテレキャスターを更に怖魅力的にするのがこのワイヤーなのです。危険を察知した方は手を出さないように。
まとめ
総じて低域はタイトに締まっている。こんなに本数があるのにである。これはこのワイヤーの一つのキャラクターだ。硬質な素線の持つ特徴なのかも知れない。なのでフンワカとした低音の量感を好む人には向かない。そして超高域もKelloggみたいには出ない。こう書くと何だ大したことないじゃないか、と思う方もいるだろう。問題はここからだ。概してフルレンジ・スピーカーはドイツ物が優秀なのだが、その事は延々とスピーカーユニット遍歴を続けてきた猛者達が知っている。WEで大騒ぎをし、やがて粛々とドイツフルレンジで暖を取るようになる方が密かに多い。そう優秀なフルレンジ・ユニットはドイツに集まっている。よく考えてみると精密工学的な物はドイツが昔から優れていた。例えばカメラだ。その昔はカメラは世界中で作られていた。だが今は日本製とドイツ製だけが生き残った。これには色々な理由があるがライカなどのカメラは常にカメラマニアの羨望の的だ。日本のカメラの地位がそこまで上がった試しはない。で、そのドイツ国のフルレンジスピーカーはテレフンケンやシーメンスを筆頭に様々なメーカーがあったのだがその平均的実力は相当な物だ。
かくいう私も10cm口径の物をウーファーと組み合わせて一時期使用していたのだが、その辺のハイファイと呼ばれるスピーカーを超えた音がした。このような良質なスピーカーに通じるものは濃厚で幅広な中域、そこを軸として上と下に滑らかに繋がる低域と高域だ。このワイヤーの音には正にそれを感じる(アメリカ製だが)。なので低域がタイトだとか超高域がもう少し…などは全く問題にならない。米国製なのに良質なドイツ製フルレンジのような音質を持つこのALPHA(アメリカ製です)、なかなかやるじゃないかっ!
あっ! 言い忘れましたがこのスプール大変にちっちゃいもので直径は6.6cmしかない。すぐ売り切れると思います。
【ご注意】
価格は25cm単位ですが一回の購入での個数上限はx4と致しますので前もってご了承ください。
数量1(25cm)以上、必要な方はカートに入れる前に数量指定(MAX=4)をして下さい。
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